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日本の新第三紀花粉化石群集と地球環境変遷(日本植物分類学会第6回新潟大会公開シンポジウム講演記録「新生代の地球環境変遷と地域フロラの分化プロセス」)
齊藤 毅
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2008 年 8 巻 1 号 p. 31-37

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抄録
新第三紀は新生代後半の約2300万年から180万年前の地質時代である(Gradstein et al.2004).新第三紀における地球の気候は,深海底堆積物から得られる有孔虫の酸素同位体比などの研究によって,1400万年前ころ,300万年前ころなどに氷床の形成や成長を伴いながら寒冷化していった(Kennett 1996).その後,氷期-間氷期変動の時代に入り第四紀へ続いていく.このような気候変動の中,日本列島は大陸から分離し現在の形になった(山野井1998など).また,チベット・ヒマラヤ山塊の隆起に伴うアジアモンスーンの発生・強化も起こったと考えられている(多田2005).小論では日本の地層の特徴について簡単に解説した後,山野井(1998)によってまとめられた日本の新第三紀花粉化石帯(NP-1帯〜6帯)を紹介し,そのうちのNP-4帯〜6帯については筆者らのデータを考慮して改訂提案を行う.また,花粉化石群集と密接に関連する日本列島の古地理および地球環境の変遷を概観する.
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© 2008 日本植物分類学会
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