抄録
本報告では,肺がん検診用CT(Lung Cancer Screening CT: LSCT)診断支援システムの画像処理手法について報告する.このLSCT は1患者当たり約30枚の大量のデータが発生する難点がある.この問題点の解決として,我々は画像処理手法によって医師へ提示する画像情報を減らす試みをしている.そこで,我々は以下の2つの手法を並列に用いた診断支援システムを検討し,良好な結果が得られた. (1)約30スライスからなる3次元情報を病巣の情報を損なうことなく2次元面に投影する画像前処理付きMIP表示方式.(2)病巣陰影候補を自動認識し,陰影候補の見つかったCT断面のみをディスプレイすることにより,表示画面数を大幅に削減する方式.この病巣自動認識には,我々が新たに開発した可変N-Quoit 処理を用いた.