抄録
筆者らはこれまで,コンピュータによる3次元画像の読影支援システムの開発を支援するために,3次元画像処理手順を自動構成するエキスパートシステム,3D-IMPRESSと3D-IMPRESS-Proの開発を進めてきた.この2つのシステムではそれぞれ手順構成の目的が異なり,3D-IMPRESSは目標図形の形状抽出精度,3D-IMPRESS-Proは目標図形の位置の検出精度を重視している.本論文では,両システムにおける手順構成時の評価尺度の違いに基づく構成手順の性質の差異について検討する.具体的には,実際に両システムを用いて3次元胸部CT像から異常陰影を検出する手順を自動構成し,構成された手順の性能を互いに比較・評価した結果について報告する.