コンピュータ支援画像診断学会論文誌
Online ISSN : 1347-9245
ISSN-L : 1347-9245
非剛体レジストレーションを適用した多時相腹部造影CT画像からの肝臓領域自動抽出法
桝本 潤佐藤 嘉伸堀 雅敏村上 卓道上甲 剛中村 仁信田村 進一
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2003 年 7 巻 5 号 p. 40-41

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抄録
要旨本論文は,異なる時間に撮影された2つの時相の画像を用いた,腹部造影CT画像からの肝臓領域抽出方法について述べたものである.撮影時間の異なる画像間には,患者の呼吸,体動などにより画像間に位置ずれを生じている.そこで我々は,画像間の肝臓領域の変形を補正する非剛体レジストレーションを導入し,画像間の位置ずれを補正した.肝臓領域の抽出は,使用する2つの時相の画像内における肝臓のCT値分布状態を二次元ガウス分布として推定した後,これを用いて肝臓領域強調画像を生成,閾値処理することにより肝臓領域を抽出する手法を提案する.本手法では,この肝臓領域のCT値分布状態を局所的に推定する方法を提案し,肝臓内部における造影剤の不均一な浸透に対しても考慮した.最後に微小な肝臓領域抽出漏れに対する補正方法を提案した.4症例に対し比較評価実験を行い,これらの手法を導入することによる性能向上を調べ,それぞれの手法の有効性を示した.
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© 2003 コンピュータ支援画像診断学会
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