コンピュータ支援画像診断学会論文誌
Online ISSN : 1347-9245
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病変部の濃度特徴に注目した肝臓領域抽出手法の開発
清水 昭伸田村 みさと小畑 秀文
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2004 年 8 巻 1_1 号 p. 1-9

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抄録
本論文では,正常の肝臓組織以外に肝がんや嚢胞などの病変部の濃度特徴も考慮しながら,早期相と晩期相の2時相の3次元腹部CT像から肝臓領域を抽出する手法を提案する.この手法ではまず,2時相のCT値に基づいて肝臓を大まかに抽出し,次にLevel Set Methodを用いて肝臓領域を精密に抽出するが,本手法の特色は,前者の大まかな抽出処理において,正常部位,がん,及び嚢胞の各部位を抽出するための3つの局所処理を並列に実行し,後に統合することで肝臓領域全体を欠損無く抽出する点にある.本論文の後半では,マルチスライスCT装置により撮影した17症例34画像,及び2003年度の肝臓領域抽出コンテストの2症例4画像に提案手法を適用した結果を示し,有効性について考察する.
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© 2004 コンピュータ支援画像診断学会
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