抄録
単相の造影X線CT像における肝臓の領域抽出、形状モデリングにおいて、抽出対象の境界抽出および動径基底関数(Radial Basis Function: RBF)による形状再構成に基づく手法を開発した。本手法では、しきい値処理などで得られた初期形状の表面ボクセルを抽出後、そのボクセルの位置における元画像の信号値や曲率などの特徴量を利用して肝表面のボクセルのみを選択し、そのボクセルの位置および法線方向を中間データとする。最後に中間データをRBFにより多値ボリュームデータに変換して肝形状を再構成する方法である。本稿では、臨床データ数例を用いた評価実験によって、領域抽出に関する特性や性能を評価した結果を示す。