コンピュータ支援画像診断学会論文誌
Online ISSN : 1347-9245
ISSN-L : 1347-9245
造影3次元腹部X線CT像からの肝臓領域自動抽出手法の開発
林 雄一郎出口 大輔Daisuke Deguchi森 健策Kensaku Mori目加田 慶人Yoshito Mekada末永 康仁Yasuhito Suenaga鳥脇 純一郎Junichiro Toriwaki
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2004 年 8 巻 1_3 号 p. 18-30

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抄録
本稿では,造影3次元腹部X線CT像から肝臓領域を自動抽出する手法について述べる.肝臓の診断では複数の時相のCT画像を用いるため,肝臓を対象としたコンピュータ支援診断システムにおいては,複数の時相から肝臓領域を抽出することは非常に重要である.本稿では特に肝細胞がんの診断に重要とされる早期相,晩期相からの肝臓領域抽出を行う.まず,晩期相においてCT値ヒストグラムを解析し,肝臓に対応するCT値の範囲を自動決定し,しきい値処理によりおおまかな肝臓領域を抽出する.次に,ユークリッド距離に基づく図形分割・統合処理により肝臓に接している他臓器を除去し,最後に輪郭を補正し肝臓領域を得る.早期相に対しては,晩期相から抽出した肝臓領域を早期相のCT像にマッピングし,輪郭領域を修正することで肝臓領域を得る.本手法を早期相,晩期相の3次元腹部X線CT像19症例に適用した結果,ほぼ良好に肝臓領域を抽出することが可能であった.
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© 2004 コンピュータ支援画像診断学会
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