日本炭化学会誌
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市販のいぶりたくあん漬けに含まれる燻煙由来成分
栄 渋谷
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2022 年 1 巻 1 号 p. 20-24

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抄録
秋田県では冬場に悪天候となることが多く,燻煙を利用して冬場に乾燥させたダイコンを漬けて作られるいぶりたくあん漬けが,比較的古くから存在している。市販される製品も複数あり,いずれも燻煙臭をもち,特徴的な風味を呈している。本報では市販のいぶりたくあん漬けに含まれる燻煙由来成分の分析を行った。ガスクロマトグラフィー分析(GC-FIDおよびGC-MS)の結果,いずれの製品からも主要な燻煙由来成分としてsyringolが検出された。内部標準のピーク面積との比較から製品100 g中にsyringolは1.29~0.89 mg含まれていた。このほか,phenol類,cyclopentane類,maltol,furfuryl alcoholが検出された。成分組成にメーカーで若干の差が認められることから,燻煙に対する曝露期間など工程に差がある可能性が考えられた。
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