化学生物総合管理
Online ISSN : 1349-9041
ISSN-L : 1349-9041
特集
化粧品中安息香酸デナトニウムの分析と誤飲防止効果
森 謙一郎中村 義昭大貫 奈穂美寺島 潔横山 敏郎宮本 道子荻野 周三斉藤 和夫
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 4 巻 1 号 p. 26-33

詳細
抄録

化粧品中の安息香酸デナトニウム (benzyldiethyl-N-2,6-xylylcarbamoylmethyl ammonium benzoate、DBと略す) の分析法を作製した。1-2 gの化粧品試料を秤量し、メタノールに溶かし10 mLとした。沈殿のある場合は高速遠沈で精製した。溶液は陽イオン交換カラムに負荷し、メタノールで洗浄し、1% HCl-MeOH 10 mLで溶出した。溶出液は蒸発乾固し、0.1% HCl-MeOH 500 μL で溶解し、HPLCに注入した。HPLCの条件は次のとおり、カラムODS、移動相 water/acetonitrile (7:3)・0.01 mol/L sodium 1-pentanesulfonate・0.015 mol/L sodium sulfate、注入量20 μL、検出器206 nm。検出限界は 0.1 ppm。本法により輸入化粧品5品から1-9,000 ppmのDBを妨害なく分析することができた。1.0 ppmのDB水溶液1.0mLは苦く、DBの摂食阻害性を十分確認した。国産の化粧品、家庭用品中に誤飲防止剤としてDBが入っているのはほとんど見ないが、欧米の製品には多く、多岐にわたっている。

著者関連情報
© 2008 特定非営利活動法人 化学生物総合管理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top