化学生物総合管理
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都内食品製造業の自主検査と品質管理の現状
佐々木 由紀子橋本 秀樹三栗谷 久敏大石 向江
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2010 年 6 巻 1 号 p. 74-88

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抄録
2008年1月、 食品製造業の自主検査および品質管理の現状と問題点を把握する目的で、都内の食品製造業232事業所に自記式アンケート調査を実施した。回収率は62.5%で、実施している検査は微生物検査が圧倒的に多く96%の事業所が実施し、理化学検査は53%が実施していた。項目別にみると一般細菌数検査と大腸菌群検査については94%の事業所が、黄色ブドウ球菌検査は77%が実施していた。微生物検査を簡易検査のみで実施している事業所は4ヶ所であった。品質に関わる事項については、検査のマニュアルを65.2%の事業所が整備、26.1%が部分的整備と回答しており、検査マニュアルの整備状況はほぼ良好であった。一方、検査の精度管理 (QC) の実施状況をみると、内部精度管理 (IQC) を実施している事業所は29%、外部精度管理 (EQC) を実施している事業所は22%であった。精度管理の実施率が少ない要因として、45%の事業所が食品検査分野の適正管理基準 (GLP) について知らないと回答していることから、検査精度を保証するシステムの認知度が低いことが一因と考えられた。
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© 2010 特定非営利活動法人 化学生物総合管理学会
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