CHEMOTHERAPY
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β-lactam抗生物質の組織結合に関する研究 (2)
ラット肝組織のcefazolin結合因子について
村川 武雄岡田 直彦坂本 博西田 実
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1978 年 26 巻 6 号 p. 819-823

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抄録

β-lactam抗生物質の結合に関与するラットの肝組織中の成分を14C-cefazolinを用いて検討した。ラットの105×G上清には,14C-cefazolinをgel〓過によっても遊離しない様式で比較的強く結合するmajor componentとminor componentが存在する。前者はKORNGUTHらの報告したligandinと一致した。ラット肝ligandinに対する14C-cefazolinの結合量は,血清アルブミンに対するよりも低く,一定の条件においてligandin 100μg当り1.56μgであった。ligandinと14C-cefazolinの結合は14C-cefazolin濃度に依存し,FREUNDLICHの吸着定温式に適合して変化する。またラット肝105×G上清をイオン交換ゲル〓過し,各分画に対するcefazolin(またはdicloxacillin)の結合性を検討した結果,肝上清にはβ-lactam抗生物質の可逆的結合に関与することが明らかになった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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