CHEMOTHERAPY
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Cefoperazone (T-1551) のin vitroおよびin vivo抗菌作用について
南 新三郎松原 信之村岡 拓己倉茂 達徳三橋 進
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1980 年 28 巻 Supplement6 号 p. 1-13

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抄録

Cefoperazone (CPZ, T-1551) の抗菌力を日本化学療法学会標準法に従って測定し, cefazolin (CEZ), cefotiam (CTM) を対照薬として検討を加えた結果, CPZはグラム陽性菌, グラム陰性菌に対して広範囲の抗菌スペクトラムを有するという知見を得た。グラム陽性菌に対してはCEZとほぼ同じか, やや劣る成績であった。グラム陰性菌, 特にP. aerugimsa, indole positive Proteus, E. cloacae, S. marcescensに対してはCTM, CEZより優れた抗菌力を有し, 200株のP. aeruginosaに対する80%発育阻止濃度が6.25μg/mlと優れていた。
β-lactamaseに対する安定性をdirect spectrophotometric methodで検討した結果, 各種グラム陰性菌の産生するcephalosporinase (CSase) に対しては比較薬剤中最も安定であり, R因子支配によるpenicillinase (PCase) に対しては他のセファロスポリン系薬剤と同様に安定であった。
マウス実験感染症に対する治療効果はCEZ, carbenicillin (CBPC) より優れた成績が得られた。

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