CHEMOTHERAPY
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Cefoperazone (T-1551) の細菌学的評価
才川 勇保田 隆滝 秀雄渡辺 泰雄田井 賢福岡 義和高畑 正裕
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1980 年 28 巻 Supplement6 号 p. 131-144

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抄録

Cefoperazone (CPZ, T-1551) の細菌学的評価を行なった結果, 次の結論が得られた。
1. CPZはグラム陽性, 陰性菌群に対して幅広い抗菌スペクトラムを有していた。
2.臨床分離株に対する感受性分布では, グラム陰性菌特にSerratia sp., indole (+) Proteus, Enterobacter sp., Pseudomonas sp.に対してcefazolin (CEZ), cephalothin (CET) より優れた抗菌力を示し, 菌量が少なくなるとさらにその傾向は著しくなった。またStaphylococcus sp.に対してはCEZ, CETよりやや劣っていた。
3.CPZは殺菌的に作用した。
4.抗菌力におよぼす培地の種類, 培地のpHおよびヒト血清添加の影響はほとんど認められなかった。接種菌量の増加に伴い抗菌力がやや低下する傾向がみられた。
5.CPZはcephalosporinaseに対しては非常に安定でありpenicillinaseに対してもCEZとほぼ同程度安定であった。
6.実験的マウス感染症に対して, CPZはCEZより優れた治療効果を示した。

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© 社団法人日本化学療法学会
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