CHEMOTHERAPY
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Cefoperazone (T-1551) の吸収・分布および排泄について
才川 勇保田 隆渡辺 泰雄滝 秀雄松原 信之林 敏雄松永 清美高田 理恵子
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1980 年 28 巻 Supplement6 号 p. 163-172

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抄録

Cefoperazone (CPZ, T-1551) の吸収, 分布および排泄について各種動物およびヒトで検討した。
1) CPZの20mg/kgを皮下あるいは筋肉内投与した, その最高血清中濃度はサルが一番高く, 次いでウサギ, イヌ, ラット, マウスの順であった。またウサギ, サルではCEZに比べて高濃度で持続的に推移した。
2) CPZの尿中および胆汁中排泄には種差が認められ, ラットは胆汁中排泄型, ウサギ, イヌ, サルでは尿中排泄型を示した。
3) CPZの1,000mgをヒトに筋肉内投与した場合, 血清中濃度は投与後1時間で78μg/mlに達し, 以後生物学的半減期は120分で推移した。また尿中回収率は10時間で約35%であった。
4) マウスおよびラットの臓器内濃度はCEZより低い濃度を示したが, 血清比が高く, 臓器内移行性はCEZに比べ良好と思われる。
5) ヤギ乳汁中へはほとんど排泄されず6時間で0.0056%であった。
6) 血清蛋白結合率には種差が認められ, ヒト, サルおよびウサギでは80%以上の結合率を示した。

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© 社団法人日本化学療法学会
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