CHEMOTHERAPY
Online ISSN : 1884-5894
Print ISSN : 0009-3165
ISSN-L : 0009-3165
広域合成Cephalosporin, Cefoperazone (T-1551) のin vitro, in vivoの抗菌作用と細菌学的評価
五島 瑳智子小川 正俊辻 明良金子 康子桑原 章吾
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 28 巻 Supplement6 号 p. 28-44

詳細
抄録

新cephalosporin系抗生剤cefoperazone (CPZ, T-1551) のin vitro, in vivo抗菌作用を検討し次の結果を得た。
1. CPZはグラム陽性菌, グラム陰性桿菌の各菌種に広い抗菌スペクトルを有し, とくにグラム陰性桿菌の主な菌種に対する抗菌力はCEZ, CXM, CMD, CMZより強く, グラム陽性菌に対しては, CEZ, CXM, CMD, CMZの抗菌力より弱かった。
2. 多くのcephalosporin系薬剤に耐性を示すE. cloacae, S. marcescens, P. aeruginosaおよびブドウ糖非発酵グラム陰牲桿菌に対しても抗菌力を示した。
3. Cephalosporinase型の酵素に対する安定性は高く, penicillinase型の酵素に対してはやや不安定であった。
4. マウス実験感染においてcefazolin耐性大腸菌による感染に対してCEZは無効であったが, CPZは救命効果が得られた。
また緑膿菌感染に対しても治療効果がみとめられた。

著者関連情報
© 社団法人日本化学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top