CHEMOTHERAPY
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Cefoperazone (T-1551)の基礎的・臨床的検討
藤井 俊宥他
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1980 年 28 巻 Supplement6 号 p. 359-368

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抄録

新しく開発されたセファロスポリン剤であるcefoperazone (CPZ, T-1551) について, 基礎的, 臨床的検討を行なった。抗菌力では臨床分離株に対してCEZに比しCPZはより低いMIC値を示し, CEZ耐性株でも強い抗菌力を示した。臨床的には呼吸器感染症28例, 尿路感染症11例, 胆道感染症2例, 不明熱2例に投与し臨床的検討を行なった。1日投与量は2~8gで投与期間は3~65日にわたっている。臨床成績は, 呼吸器感染症28例では92.9%の有効率を示し, 尿路感染症11例では81.8%の有効率を示した。胆道感染症は2例とも有効であり, 不明熱はやや有効と無効が1例ずつであった。原因菌別にみると, Pseudomonasは11株が検出され9株が消失し, E. coliは6株中5株消失, Klebsiellaは消失, 存続各1株で, S. aureus, citrobacter, Acinetobacterは各1株が検出されたがいずれも消失した。副作用としては, 発熱2例, 発熱および発疹1例, GOT, GPT, ALPの上昇および好酸球の増多1例であった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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