CHEMOTHERAPY
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Cefoperazone (T-1551) の基礎的・臨床的研究
清水 喜八郎熊田 徹平小出 桂三
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1980 年 28 巻 Supplement6 号 p. 390-394

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抄録

新セファロスポリン剤であるcefoperazone (CPZ, T-1551) の基礎的, 臨床的検討をおこなった。
抗菌力については, 本剤のE.coli, Klebsiella, Enterobacter, Serratia, Pseudomonas aeruginosaに対するMICはCEZよりすぐれており, とくに106接種時にその傾向がはっきりと認められたが, Staphylococcus epidermidisについてはCEZより若干劣っていた。
3例の健康成人に1g静脈内投与をおこなった結果, 投与後30分89.0±11.1μg/ml, 1時間54.4±7.2μg/ml, 2時間31.1±4.6μg/ml, 4時間11.8±3.3μg/ml, 6時間5.8±1.3μg/mlの血中濃度が得られた。また, 尿中よりの回収率は6時間までで約23%であった。
Probenecid併用時の血中濃度, 尿中排泄率は, 非併用時に比して大きな差が認められなかった。
臨床成績については, 慢性腎孟腎炎2例, 急性腎孟腎炎1例に使用し, 全例有効であった。投与量は1日1~2gであった。また, 副作用は認められなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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