CHEMOTHERAPY
Online ISSN : 1884-5894
Print ISSN : 0009-3165
ISSN-L : 0009-3165
Cefoperazone (T-1551) の臨床的検討
東 冬彦関田 恒二郎藤森 一平
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 28 巻 Supplement6 号 p. 440-444

詳細
抄録

新しく開発されたcephalosporin系抗生物質であるcefoperazone (CPZ, T-1551) を肺炎, 肺化膿症, 腎孟腎炎, 胆のう炎に投与し臨床的検討を加えた。疾患の内訳は肺炎13例, 肺化膿症1例, 急性腎孟腎炎3例, 胆のう炎1例, 計18例である。これらの症例に対するCPZの投与法は点滴静注で1回1~2g, 1日2回投与した (2~4g/日)。投与期間は副作用の発現した1例を除き5~46日にわたっている。
肺炎13例の起炎菌はKlebsiella pneumoniae 1例, Streptococcus pneumoniae 1例, Staphylococcus aureus 1例で, 他は不明であった。肺化膿症の起炎菌はHaemophilus influenzaeであった。急性腎孟腎炎の起炎菌はE. coli 2例, Pseudomonas aeruginosa 1例であり, 胆のう炎の起炎菌は不明であった。
臨床効果は肺炎13例中9例が有効以上, 3例無効, 1例は発疹のため3日目で中止したので判定不能であった。肺化膿症には著効した。急性腎孟腎炎は3例全例有効, 胆のう炎は1例に投与したが無効であった。
副作用としては1例に発疹を認めた。肝機能検査では1例において, GOT, GPTの軽度の上昇を認めた。投与前後の末梢血, 腎機能検査の検討では異常を認めなかった。

著者関連情報
© 社団法人日本化学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top