CHEMOTHERAPY
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腎毒性を指標にした6059-Sの家兎における毒性試験
単回および7日間連続投与試験
原田 喜男豊島 久美子
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1980 年 28 巻 Supplement7 号 p. 1202-1225

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抄録

6059-Sの静脈内投与による腎耐生を, 家兎を用いた単回投与および7日間連続投与試験によって, 他のCephalosporin系抗生剤投与により惹起される陣害と比較した。単回投与試験の結果, 6059-S投与群および対照楽として用いたCephalothin (CET) とCefmetazole (CMZ) 投与群には2,000mg/kg/日の投与量において腎障害を認めなかった。これに対しCefazolin (CEZ), efotiam (CTM) およびCefotaxime (CTX) 投与群にはBUNやクレアチニンの上昇, 尿中への顆粒円柱・上皮円柱等の出現, 蛋白・糖の出現, 形態学的に腎皮質近位尿細管上皮細胞の変性・壊死・石灰沈着, 遠位尿細管腔内に硝子様円柱の存在等の所見が認められた。7日間連続投与試験においても, 6059-SおよびCET投与群には腎障害を認めなかったが, CEZ 400mg/kg/日群では尿中への顆粒円柱・上皮円柱の出現が軽度に認められた。
以上の成績より腎障害作用を各薬剤間で比較すると, 雄においてはCTM>CEZ>CTX>CMZ≒CET≒6059-Sであり, 雌においてはCEZ≧CTM>CMZ≒CET≒6059-Sであった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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