抄録
臨床材料から分離されCefotiam (CTM) に高度耐性を示すEnterobacter cloacaeとSerratiamarcescensをそれぞれ1株および同薬剤に感受性のEnterobacter cloacae1株を用いて, 耐性菌株に対するGentamicin (GM) とCTMおよびRifampicin (RFP) とCTMとの併用効果を比較して, 次のような結果を得た。
固型培地上でのchecker board法によって比較し. RFPとの併用のほうがGMとの併用と比較して明らかに有効であった。またブイヨン中での殺菌効果として比較しても同様にRFPとの併用の場合が優れていた。
耐性菌株はブイヨン中で多ftのβ-lactamaseを産生するが, 低濃度の薬剤存在下におけるβ-lactamase産生能をみると, CTMの場合は誘導現象がみられ産生tが増加していたが, GM存在下では全く不変, RFPではかなりの抑制が認められた。
以上の結果から, RFPの併用効果はβ-lactamaseの抑制が一因をなすものと考えた。