CHEMOTHERAPY
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AM-715の臨床的検討
大山 馨清水 隆作
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1981 年 29 巻 Supplement4 号 p. 312-319

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抄録

Quinolinecarboxylic acid誘導体であるAM-715について臨床分離株に対する抗菌力と23例の感染症に本剤の投与を行い, その効果を検討した。その結果次のことを知った。
1. AM-715はグラム陽性菌およびグラム陰性菌に作用する合成抗菌剤であり, S.aureus, S.faecalis, E.coli, Citrobacter, K.pneumoniae, Enterobacter, S.marcescens, ProteusおよびP.aeruginosaに対して優れた抗菌性を有し, その抗菌力は, A, PPAに比し, AM-715が最も強かった。
2.臨床効果については16例の呼吸器感染症および7例の尿路感染症に本剤の投与を行った結果, 呼吸器感染症では16例中10例 (62.5%) に有効以上の成績が得られた。また7例の尿路感染症では6例 (85.7%) に有効以上の成績が得られた。
3.副作用としては1例に嘔気と食欲不振が認められ本剤の投与を中止したが, その他の症例には副作用と考えられる異常所見は認められなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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