CHEMOTHERAPY
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本邦で分離されたゲンタマイシン耐性の黄色ブドウ球菌について
第3編アミノグリコシド系抗生物質の耐性機構について
生方 公子紺野 昌俊白幡 公勝飯田 孝男
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1982 年 30 巻 5 号 p. 546-553

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抄録

Gentamicinを含む種々のアミノグリコシド系 (AGs) 抗生物質に耐性の質色ブドウ球菌 (ブドウ球菌) から感性菌MS353株にGM耐性を導入したMS353 (pTU053) 株およびMS353 (pTUO68) 株を用いて, AGs抗生物質の不活化に関する検討を行なった。
1. MS353 (pTU053) 株から抽出した酵素液には, AGs抗生物質の6'位のアミノ基のアセチル転移酵素, 3'位の水酸基のリン酸転移酵素および2 “位の水酸基のリン酸転移酵素の活性がそれぞれ認められた。
2. MS353 (pTU068) 株から抽出した酵素液には, AGs抗生物質の6'位のアミノ基のアセチル転移酵素と2” 位の水酸基のリン酸転移酵素の活性が認められた。
3. MS353 (pTU053) 株から抽出した酵素液での酵素活性の至適pHは, リン酸化反応およびアセチル化反応のいずれもpH6.5であった。
4. MS353 (pTU053) 株から抽出した酵素液を用い, SisomicinとAmikacinを基質としてそれらのリン酸化による不活化を経時的に調べると, SisomicinはAmikacinに比べはるかに効率よく不活化された。

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© 社団法人日本化学療法学会
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