CHEMOTHERAPY
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セフェムを含む多剤耐性黄色ブドウ球菌の分離状況と41抗菌剤に対する感受性
島田 馨安達 桂子田中 喜久子上条 仁子佐々木 宗男畠山 勤稲松 孝思浦山 京子
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1983 年 31 巻 8 号 p. 835-841

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抄録
1980年7月以降2年間, 東京都養育院付属病院のセフェム系薬剤を含む多剤耐性S.aureusについて検討を加えた。この新しい耐性菌は第1世代セフェムに耐性を示すのが特徴で, S.aureusの全分離菌に対して1980年後半は18.6%であったが, 1982年前半に35.9%と急激に増加した。検体別では血液, 尿からの耐性S.aureusの分離率の著明な増加がみられた。多剤耐性S.aureusのコアグラーゼ型はII, VII, IV, III, 型別不能の順で, 感受性S.aureusのコアグラーゼ型と差はなかった。多剤耐性S.aureus 100株のうちPCase産生菌は87株でCEPaseを産生する株はなかった。この100株につき41薬剤のMICを測定したが, 大多数のセフェム系薬剤はMIC50が≧50μg/mlであり, DMPPC, isoxazolyl PCs, マクロライド, アミノ配糖体にも多数の高度耐性株がみられた。FA, VCM, RFP, MINO, DOXY, DL-8280には逆にほとんどが感受性株であった。
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© 社団法人日本化学療法学会
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