1984 年 32 巻 Supplement9 号 p. 623-629
AC-1370を慢性複雑性尿路感染症に対して使用した. 症例は10例で, 全例1日2回5日間の点滴投与によったが, 2例が1回0.59, 8例は1回19であり, その総合臨床効果は有効率40%, 全15株に対する除菌率は46.7%, そしてP. aeruginosaは2株とも存続したごとく, 効果は芳しいとはいえなかった. これは検出菌のMICの高いものが多かったことによる. 上述10例については副作用はなかったが, 他に1例初回投与時ショックに陥り, 救命し得たことは注意を要する.