CHEMOTHERAPY
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Cefixime (CFIX) に関する基礎的・臨床的研究
岡本 緩子前原 敬悟飯田 夕間瀬 勘司安永 幸二郎上田 良弘大久保 滉
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1985 年 33 巻 Supplement6 号 p. 377-392

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抄録

Ceftizoximeに類似の構造式を持つセフェム系の新経口抗生剤Cefixime (CFIX) にっき, 基礎的・臨床的検討を行った。
その結果, E. coli, klebsiella, Proteus, Serratia, CitroboderおよびEnterobocterの何れの臨床分離菌に対しても, その抗菌力は比較薬剤として用いたCEX, CCLおよびAMPCの何れよりも隔絶した強さを示した。
臨床的に呼吸器感染症12例, 胆道感染症1例の計13例にCFIXを1日200mg分2, 4~11日間投与し, 有効率69.2%を得た。無効例は, いずれもCFIXに感性でない細菌による感染症またはマイコプラズマなどによると考えられる感染症であった。
副作用としては1例に悪心・嘔吐を認めた以外, 本剤によると思われる副作用, あるいは臨床検査値の異常は認められなかった。
これらの成績から, 本剤はすぐれた経口セフェム剤として臨床的有用性の高い新抗生剤であると考えられる。

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© 社団法人日本化学療法学会
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