1985 年 33 巻 Supplement6 号 p. 50-58
経口のセファロスポリン剤であるCefixime (CFIX) の抗菌力を知るために, 1983年8月以降に検出した新鮮臨床分離株を用いてMICを測定し他剤と比較検討した。
CFIXはS. pyogenes, S. pneunoniae, H. influenzae, N. gonorrhoeae, E. coli, K. pneumoniae, C. diversusそしてP. nirabilisにはきわめて強い抗菌活性を示したが, S. saprophyticusには他剤と比較して抗菌力が劣る成績だった。そしてC. freundii, E. cloacae, E. aerogenes, S. narcescensに対するCFIXのMIC50は3.13~6.25μg/mlであるが, MIC値は広い濃度に分布す。本剤は染色体支配のβ-lactamaseにはかなり安定であるので, 他の耐性機構の関与が考えられる。