1987 年 35 巻 Supplement1 号 p. 44-56
新しく開発されたオキサセフェム系抗生物質である6315-S (Flomoxef) の嫌気性菌に対する抗菌力をCEZ, CMX, CTM, CMZ, LMOX, CTT, CPZ, CTX, CFXを対照薬剤としてin vitroおよびin vivoで検討した。
46株の参考菌株を用いた検討では, 6315-Sはすべての対照薬剤より極めて広い抗菌スペクトラムと強い抗菌力を示した。
臨床分離株162株に対する感受性分布においては, 参考菌株での成績を反映し, 6315-Sの極めて優れた抗菌力がみとめられた。
6315-SはB.fragilisの不活化酵素に対してCFXと同様に全く加水分解を受けず, CER, CEZ, CPZ, CTX, CMXより安定であることがみとめられた。
6315-SはB.fragilisに対して殺菌作用のあることが示唆された。
6315-SはB.fragilisとE.faecalisとの腹腔内混合感染マウスに対して優れた治療効果がみとめられた。