CHEMOTHERAPY
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新しい経口セフェム剤, Cefotiam hexetilの尿路・性器感染症に対する臨床的検討
鈴木 恵三堀場 優樹名出 頼男高梨 勝男白木 良柳岡 正範
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1988 年 36 巻 Supplement6 号 p. 486-502

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抄録

新しいセフェム系経口抗生物質, cefotiam hexetil (CTM-HE) について以下の知見を得た。
1. ヒト前立腺液 (PF) への移行。
本剤200mg投与1時間後のPF内cefotiam (CTM) 濃度は, 0.05μg/mlが2例, 0.05μg/ml以下2例であった。血中CTM濃度の平均 (n=4) は3.3μg/mlであった。
2. 臨床的検討
(1) 急性単純性膀胱炎 (AUC)。1日300mgを22例の女性に3~8日間投与した。投与3日後にUTI薬効評価基準で判定した結果, 著効18例, 有効4例の有効率100%を得た。
(2) 慢性複雑性尿路感染症 (CC-UTI)。1日600mgを5~14日間投与した13例について投与5日後にUTI薬効評価基準で評価した結果, 著効4例, 有効6例, 無効3例で, 有効率76.9%であった。除菌率は18株中15株, 83.3%を得た。
(3) 尿道・性器感染症。1日600mgを5~12日間投与した。淋疾の1例は著効であった。細菌性前立腺炎4例のうち, Eschenchia coliによる2例は有効, GPCによる2例はやや有効であった。
3. 安全性
自・他覚的副作用, 臨床検査値異常は, 全例で認められなかった。

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