CHEMOTHERAPY
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気道感染症に対するT-3262の臨床的検討および血中テオフィリン濃度におよぼす影響の検討
山木 健市高木 健三鈴木 隆二郎角田 俊昭権田 秀雄佐竹 辰夫笹本 基秀佐々木 智康本多 康希野田 康信金子 路江長谷川 高明
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1988 年 36 巻 Supplement9-Clinical 号 p. 567-574

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抄録

新しいピリドンカルボン酸系抗菌剤, T-3262はグラム陽性菌から陰性菌まで幅広い抗菌スペクトルを示すとともに強い抗菌力を有する。気道感染症27症例にT-3262を1日300~450mg経口投与し, 臨床的効果と細菌学的効果を判定した。臨床的有効率は74.1%, 除菌率は75.0%であった。副作用はみられなかったが, 臨床検査値においてLDHの上昇が1例に認められた。
血中テオフィリン濃度への影響は7名の健常人にてテオフィリン1日量200mg, T-32621日量450mg投与で検討した。T-3262はテオフィリン濃度を約50%上昇させたが, 中毒域には達しなかった。
以上より, 気道感染症に対するT-3262の有用性が期待できるものと思われた。

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