CHEMOTHERAPY
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開心術中におけるlatamoxefの血中および心筋内動態に関する検討
高本 眞一田口 泰許 俊鋭上田 恵介横手 祐二尾本 良三尾熊 隆嘉山田 秀雄井本 裕康
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1989 年 37 巻 5 号 p. 610-615

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抄録

開心術中, 人工心肺施行時におけるoxacephem系抗生剤latamoxef 1g静注時の血中および右心耳組織内濃度を測定し, 薬動力学的解析を行ない以下の結論を得た。
1. 人工心肺作動中のlatamoxefの血中動態はC=47.67e-3.66t/+44.15e-0.15tで表わされ, t=0でのlatamoxefの血中濃度 (ピーク値) は91.82μg/ml, 消失相の半減期T1/2 (β) は4.65時間と算出された。本データを健常成人の動態と比較すると, 血中ピーク値は約1/2に低下し, 逆に消失速度は約3倍に延長していた。
2. 人工心肺終了後は作動中に比較しlatamoxefの血中消失速度が速くなり, latamoxefの尿中排泄量も増加することが示唆された。
3. Latamoxefの右心耳組織内移行は血中動態とほぼパラレルであった。

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