CHEMOTHERAPY
Online ISSN : 1884-5894
Print ISSN : 0009-3165
ISSN-L : 0009-3165
呼吸器感染症に対するCefdinirの陣用経験
高本 正祇北原 義也石橋 凡雄篠田 厚
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 37 巻 Supplement2 号 p. 554-559

詳細
抄録

軽症ないし中等症の呼吸器感染症13例にcefdinir (CFDN) の投与を行い下記の成績を得た。症例は肺に基礎疾患のない肺炎2例, ある肺炎5例, 肺に基礎疾患のある気管支炎6例であった。CFDNは1日600mg食後投与し, 6~14日の投与期間であった。起炎菌が分離された症例は5例で, Staphylococcus aureus 1例, Haemophilus influenzae 3例, H.influenzae+Streptococcus pneumoniae 1例であった。全体の有効率は5/13, 38.5%であった。内訳をみると肺炎では57.1%, 気管支炎では16.7%であった。本剤はグラム陽性菌にかたよった抗菌スペクトラムを特徴とするため軽症または中等症の肺炎が適応となろう。また本剤は基礎疾患のある気管支炎では有効率は低かった。

著者関連情報
© 社団法人日本化学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top