CHEMOTHERAPY
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内科領域におけるBMY-28100の臨床的検討
三浦 康子西岡 きよ荻原 央子佐藤 裕子真宗 るり子大野 勲丹野 恭夫井田 士朗滝島 任
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1989 年 37 巻 Supplement3 号 p. 208-213

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抄録
新しい経口セファロスポリン剤BMY-28100を呼吸器感染症7例に投与し臨床的効果を検討した。また3例において, 本剤の血中および喀痰中の濃度を測定した。
本剤1回250mg投与した時の血中濃度は3例で, 最高値5.09~7.04 (平均6.01) μg/mlで投与後2時間でピークに達した。喀痰中濃度は3例で最高値0.36~1.08μg/mlで2例で6時間, 1例で4時間後に出現した。喀痰中への移行率は各々7.1, 18.3, 7.0%であった。
慢性気管支炎2例, 肺炎1例, 慢性肺気腫2例, 気管支喘息の二次感染1例, 急性咽頭炎1例に本剤1回250mgまたは500mgを1日3回投与した。投与期間は6~22日間で, その結果, 有効1例, やや有効5例, 不明1例で有効率は14.3%であった。分離された起炎菌のうちBranhamella catarrhalis 2株 (うち1株β-lactamase陽性), Haemophilus influenzae 2株, Streptococcus pneumoniae 2株は除菌されたが, B.catarrhalis 1株, H. influenzae 1株, S. pneumoniae 2株は消失しなかった。
本剤投与による自他覚的副作用については上腹部痛, 発熱各1例, 臨床検査値については1例に血清ALPの軽度上昇を認めた。
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© 社団法人日本化学療法学会
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