1990 年 38 巻 2 号 p. 122-127
最近, 開発されたピリドンカルボン酸系抗菌剤tosufloxacin (T-3262) の臨床分離のNocardia特にNocardia asteroidesグループ (N.asteroides 12株, Nocardia farcinica 9株Nocardia nova 8株) に対するin vitroの活性を, 4種類の抗菌剤 (enoxacin, norfloxacin, ofloxacin, ciprofloxacin) と比較検酎した。その結果, tosufloxacinが最も強い活性を示した。Nocardiaのこれら薬剤に対する感受性を比較した結果, N.farcinicaが最も感受性が高く, N.asteroidesのMIC値は広い範囲に分布し, 一方N.novaは耐性傾向を示した。
14C-tosufloxacinを用いた実験の結果N.novaとN.fazcinicaとの感受性の違いはtosufloxacinの菌体への蓄積量の差によることが強く示唆された。