CHEMOTHERAPY
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経口セフェム系抗生物質cefditoren pivoxilの安全性に関する研究
第8報ウサギを用いた胎児器官形成期投与試験
伊藤 美奈子蓮沼 恵子岡野 一男井澤 正典藤井 千恵子小杉 功藤田 正敬
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1992 年 40 巻 12 号 p. 1397-1408

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抄録

経口用セフェム系抗生物質であるcefditoren pivoxil (CDTR-PI) の2, 4, 7.5, 15および30mg/kgをKbl-JW系ウサギの胎児器官形成期} こ経口投与して, 母動物および胚・胎児におよぼす影響を検討し, 次の結論を得た。母動物では, 7.5および15mg/kg投与群で流産が各1例に, 30mg/kg投与群で早産が1例, 流産が7例1こ観察された。摂餌量については, 4mg/kg投与群で投与期間中に減少した力玄, 体重増加量では妊娠期間を通して対照群との間に有意差は認められなかった。一方, 7.5mg/kg以上の投与群では用量依存的な摂餌・摂水量減少を反映した体重増加抑制が認められた。胚・胎児では, 7.5mg/kg以上の投与群で生存胎児数の減少が, 30mg/kg投与群で雌の胎児体重の減少力玄それぞれ認められたが, 外形異常観察および内部器官・骨格観察の結果では, CDTR-PI投与に起因した異常および変異の発現は認められなかった。以上の結果から, ウサギ胎児器官形成期投与試験におけるCDTR-PIの無影響量は, 母動物の一般毒性に対しては2mg/kgと推定さ劃る。母動物の生殖および胚・胎児に対しては4mg/kgと推定されるが, 催奇形性はないものと考えられる。

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© 社団法人日本化学療法学会
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