CHEMOTHERAPY
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呼吸器感染症に対するS-1108の基礎的, 臨床的検討
高本 正祇石橋 凡雄篠田 厚
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1993 年 41 巻 Supplement1 号 p. 334-340

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抄録

呼吸器感染症9例にS-1108を投与し臨床効果及び副作用について検討した。総合臨床効果は著効1例, 有効8例で全例有効以上であった。分離菌が検出された4例のうちHaemophilus sp. の2例とBranhamella catarrhalisの1例は消失したがPseudomonas aeruginosa+Xanthomonas maltophiliaの1例は不明であった。副作用として1例に軽い下痢がみられたが無処置で改善された。臨床検査値異常は1例にGOTの軽度上昇がみられたが無処置で正常に復した。
呼吸器感染症の高齢者患者11名に対して本剤100mg及び200mg投与し血中濃度をHPLC法にて測定した。
100mg投与時のCmaxは4時間後で0.96±0.14μg/ml, AUC0-8は4.35±0.65μg・h/ml, T1/2は2.17±0.31時間で200mg投与時のCmaxは同じく4時間後で2.01±0.36μg/ml, AUC0-8は7.98±2.16μg・h/ml, T1/2は1.53±0.23時間であった。以上より本剤は100mg投与時も200mg投与時も比較的高い血中濃度の上昇がみられ又, 中等症以下の呼吸器感染症には有用な薬剤であると思われた。

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