新しい注射用セファロスポリン系抗生物質cefozopranの呼吸器感染症に対する基礎的, 臨床的検討を行い, 下記の結果を得た。
呼吸器臨床分離株に対する本剤のMIC50はmethicillin-susceptible Staphylococcus aureus (MSSA) 0.39μg/ml, Streptococcus pneumoniae 0.05μg/ml, Haemophilus influenzae 0.05μg/ml以下, Branhamella catarrhalis 0.39μg/ml, Pseudomonas aeruginosa 1.56μg/mlであった。
びまん性汎細気管支炎1例に1gを点滴静注し, 最高血中濃度86.7μg/ml, 最高喀痰中濃度2.7μg/mlを得た。
呼吸器感染症10例における本剤の臨床効果は著効1例, 有効8例, 無効1例で, 有効率は90%であった。
副作用1例に嘔気を認め, 臨床検査値では2例に血清K値の増加と1例に好酸球の上昇を認めたがいずれも軽度であった。
以上より本剤は呼吸器感染症に対して有用な薬剤と考えられた。