CHEMOTHERAPY
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慢性気道感染症に対するFKO37の多施設臨床試験
副島 林造他
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1994 年 42 巻 10 号 p. 1162-1175

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抄録

FK 037の慢性気道感染症に対する有効性と安全性および臨床用量を多施設オープン試験にて検討した。
1. 総投与例数は55例であったが, 臨床効果 (有効性) は3例が不明と判定された。
2. 52例での臨床効果は著効14例, 有効34例であり, 有効率は92.3%であった。1回投与量別の有効率は0.5gで90.0%、1.0gで93.1%, 2.0gで92.3%であった。
3. 細菌学的効果は31例中消失26例, 減少3例, 不変2例であり, 消失率は83.9%であった。
4. 55例中, 副作用は2.0g投与時に軽度の小丘疹が1例に認められた。臨床検査値異常変動は7例に7件認められたが, 特に重篤なものは認められなかった。
以上の結果よりFKO37は慢性気道感染症に対して有用な薬剤であり, 至適用量は1回1.0g×2/日が妥当と考えられた。

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© 社団法人日本化学療法学会
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