CHEMOTHERAPY
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SY5555の基礎的・臨床的検討
後藤 美江子岡 慎一島田 馨佐野 靖之宮本 康文荒井 康男荒井 千明田中 康子稲松 孝思深山 牧子増田 義重
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キーワード: SY5555, 呼吸器感染症
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1994 年 42 巻 Supplement1 号 p. 316-324

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抄録

新規経口ペネム系抗菌剤SY5555のin vitro pharmacokinetic systemを用いた抗菌力および内科領域の感染症に対する臨床的有用性を検討し, 以下の結果を得た。
1.In vitro pharmacokinetic systemを用いてSY5555 200mg, 300mg, cefotiam hexetil (CTM-HE) 200mgおよびcefaclor (CCL) 250mgの各薬剤の内服時の体内動態をシミュレートさせ, Staphylococcus aureus 209P JC1, Streptococcus pneumoniae 11D553, Escherichia coliNIHJ JC2およびHaemophilu Sinfluenzae IID984の生菌数の推移を検討した0SY5555における各菌種の生菌数は4~6時間までCTM-HE, CCLと同様に減少した0特にSY5555 200mgではS. Pneumoniaeにおいて, 300mgではS.PneumoniaeおよびH.influenzaeにおいて再増殖は認められず, 他の2剤に優る成績であった。
2.内科領域の感染症23例に本剤を1日200~900mg, 1~14日間症状により投与し, その効果および安全性を検討した。呼吸器感染症21例における臨床効果は, 著効6例, 有効11例, やや有効1例および無効3例であった。また尿路感染症における臨床効果は, 著効1例, 有効1例であった。有効率は全体で82.6%であったO6例において起炎菌が同定され, 4菌種6株が分離された。本剤投与後Branhamella catarrhalis2株中1株およびSermtia marcescens1株が各々消失し, Haemoophilus influenzae2株は消失せず, Streptococcus sp.1株はEnterobacter aerogenesへ菌交代した。副作用は認められなかった。臨床検査値異常については1例にGOTおよびGPTの軽度上昇が認められた。

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