CHEMOTHERAPY
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ペネム系抗菌薬SY5555のin vitro抗菌力ならびに呼吸器感染症における臨床的検討
那須 勝山崎 透河野 宏平井 一弘一宮 朋来時松 一成平松 和史増田 満永井 寛之田代 隆良後藤 陽一郎
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1994 年 42 巻 Supplement1 号 p. 400-405

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抄録

新しく開発された経口ペネム系抗菌薬SY5555について, 臨床分離株に対する抗菌力の測定ならびに呼吸器感染症に対する臨床的検討を行い以下の結果を得た。
1. 抗菌力: 臨床材料から分離した18菌種760株 (グラム陽性球菌, グラム陰性球菌, グラム陰性桿菌, 嫌気性菌を含む16菌属, 18菌種) について, 日本化学療法学会規定の方法により最小発育阻止濃度 (MIC) を本薬とcefteramおよびcefpodoximeについて測定し比較検討した。本薬はmethicillin感性Staphylococcus aureus, Streptococcus pneumoniaeおよびEnterococcus faecalisに対して対照薬2剤より優れた抗菌活性を示した。またグラム陰性桿菌に対する抗菌力は, 対照薬2剤に類似していた。
2. 臨床成績: 急性気管支炎1例, 肺炎1例, 慢性気管支炎2例および気管支拡張症の二次感染1例の5例に本剤1回150mgから300mgを1日3回, 7から14日間投与した。臨床効果は, 著効1例, 有効2例, やや有効1例, 無効1例であった。副作用として腹部膨満感が1例に認められたが, 投与中に軽快した。臨床検査値異常変動は認められなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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