大気成分のローコストで小型で比較的精度の高い大気環境センサの開発により,1家庭に1個,1人に1個のレベルでの環境計測が可能になりつつある。今後の数年でこの小型計測器の活用を中心に大気環境科学が大きく変革され,第三世代の [大気環境科学 3.0] が始まろうとしている。コンパクトなセンシング技術と小型で高機能で高速なプロセッサの発達により生まれた小型センサ技術だけでなく, 携帯電話回線や高速ネット環境などの電子情報網の発達により様々な大量のデータがリアルタイムで集まり,人工知能を応用して解析されて有用なアウトプットを得ることができるビッグデータの情報基盤,さらには,様々な技術を総合するスマートシティの構築もこの [大気環境科学 3.0] を進めていく大きな原動力である。 我々が行っている小型センサの開発と評価,そして我々が実際に展開している小型センサの応用とその成果について紹介し,さらに小型大気環境センサがもたらす新しい大気環境科学について述べる 。