2019 年 24 巻 2 号 p. 137-144
2017 ・ 2018 年 ( 平 成 29 ・ 30 年 ) に改定された学習指導要領においては , 小・中・高等 学校の全学校段階のほぼ全教科にわたって「持続可能な社会の創り手」の育成を視野 に入れた教育目標が掲げられていることから , 持続可能な開発のための教育 (ESD) は , 新学習指導要領全体において基盤となる理念として組み込まれたということができる 。 日本の学校教育における ESD の取組は , 以前から行われてきてはいるが ,ESD の 教育目標である子どもたちの価値観や態度の変容にまでは行きついていない現状があ る 。 その背景には , 教員の多忙と教員組織の硬直性 , それに伴う教員の ESD に対す る知識・理解不足と ESD の理念や方法に対する理解の欠如などが考えられる 。 こうした課題を解決し , 真に持続可能な社会の構築に向けた ESD を展開するため には ,ESD のテーマに関連する専門的知識を有する研究者や地域社会で産業に従事 している専門家と連携した教員研修を行うこと ,ESD の教育効果を測定し , エビデ ンスベースによるカリキュラムの評価・改善をはかることなどが必要になってくるも のと考えられる 。 また ,ESD が特別な形で導入されるのではなく , 全ての教科 , 全 ての学校教育活動 , 学校外の地域社会活動の中で「持続可能な社会」のための取組と して位置づけられ , 次世代を担う子どもたちにとって , 持続可能な社会の構築のため の理念が「当たり前」の価値観として定着することが重要である 。