地学教育と科学運動
Online ISSN : 2432-0331
Print ISSN : 0389-3766
アラスカの環境と鉱床探査(<特集>環境と地学)
ウイレムセン マシュー石田 吉明
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 21 巻 p. 95-98

詳細
抄録

調査はまず岩盤中の鉱床鉱物を捜し当てるか,平たい鍋によって水中にある重鉱物の調査を行い,鉱床が含まれていると思われる地域を長方形に仕切る.その測量は歩測とTopofil(人が歩いて引いたひもの長さを計る小さな機械)を利用して行われる.そして,その地域内を調査し地質図を書く.調査地は,木や,草におおわれた低い丘で,露頭が少ない.調査は歩きながら露頭を捜すが,露頭のない所では地面に鉄の棒を差し込みながら岩石を探す.地球化学的,地球物理的調査は,高額の為に普通,区域内の鉱床の存在の可能性の高い所でのみ行われる.その主なものを上げると,(1)小川の礫のたまっている浅瀬や曲がり角には,磁鉄鉱,ガーネット,トルマリン,硫化物,チタン鉄鉱などの重鉱物が密集している.これらを磁石を利用して取る.(2)表土を取って調べる.(3)磁力計を利用して磁性鉱物の位置を決める.(4)超低周波受信計(VLF)を利用して硫化物や断層の位置を調べる,等である.これらを総合して正確な地質図を書く.その後の調査は,穴や溝を掘って多くのサンプリングをしていくことになる.以上のような内容で著者に執筆をお願いした.

著者関連情報
© 1992 地学団体研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top