中国語学
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三〓疑〓句的〓〓之〓同
〓 立明
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1995 年 1995 巻 242 号 p. 144-152

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抄録

6名の「普通〓」話者の音声資料をパソコンソフト『音声録聞見』により, ピッチ曲線を抽出した。そのピッチ曲線を比較分析した結果, 次のことが分かった。 (1) 文構造上の疑問を示すマーカーの有無にかかわらず, 疑問文には応答文とは違うなんらかの上昇音調が見られる。 (2) 疑問文の上昇音調には, 下限が高くなり, ピッチレンジは広くならない「“矛”式升〓」と上限が高くなり, ピッチレンジが広くなる「“盾”式升〓」との二つのパタンがある。 (3) 「“矛”式升〓」は, 「是〓」, 「特指〓」などによく見られ, 疑問文の典型的な音調パタンである。「“盾”式升〓」は, 「〓」以外の疑問文には殆ど見られない。語用論的観点から見れば, 「〓」は他の疑問文とは担う機能が違い, 驚きや疑いのモダリティが強くて, 質問の機能は極めて低い。この機能の違いは, 音調パタンの違いと一致している。

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