主催: 日本化学会情報化学部会
共催: 日本薬学会, 日本農芸化学会, 日本分析化学会, 日本コンピュータ化学会, 教育システム情報学会 (協賛)
p. O10
ガスクロマトグラフィー(GC)や2次元GC(GC-GC)は分離、構造推定および定量分析を行う手法である。GCやGC-GCでは化合物の保持時間を測定し、測定結果をデータベースと比較して構造推定を行うが、保持時間が未知である新規化合物の構造推定は難しい。そこで新規化合物の保持時間を予測するためにQuantitative Structure Retention Relationship (QSRR)が提案されており、これまでに限られた化合物種に特化した高精度なQSRRモデルの構築がなされてきた。本研究ではGC-GCにおける多様な化合物の保持時間を高精度で予測するモデルの構築を目指す。さらに、QSRRモデルを用いた逆解析による構造推定手法を開発する。保持時間の目標値を定め、その値を様々な構造の保持時間の予測値と比較して構造推定を行う。予測値と目標値を比較する際は予測誤差が問題となるが、本手法では予測値の信頼性に基づいて構造ごとに異なる許容誤差を設けることで対処する。GC-GCにより測定された化合物データを用いて解析を行い、本手法の有用性を示した。