抄録
データ同化は、計算機上のシミュレーションと現実世界のデータをつなぐ学際的科学であり、気象シミュレーションでは天気予報の精度を左右する重要な役割を果たす。シミュレーションは大規模化し、センサ技術は進化し続ける。データ同化は、これら双方の大容量かつ高速なビッグデータを扱う。雲の一つ一つを表現する高精細シミュレーションに、30秒毎に変化するダイナミックな気象を捉えるフェーズドアレイ気象レーダーや新しい静止気象衛星ひまわり8号による最新の気象観測データを同化する「ビッグデータ同化」の技術革新により、近年多発するゲリラ豪雨を予測する取り組みを紹介する。