ケモインフォマティクス討論会予稿集
第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
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口頭発表
タンパク質の二次構造主成分分析:プリオン形成中間体の構造状態
*山本 典史
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p. 60-63

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抄録
プリオン病は正常型プリオンタンパク質(PrPC)が病原性異常型(PrPSc)に変化した結果,複数のPrPScが凝集することで分子間βシート構造を骨格とするアミロイド線維を形成し,脳内に沈着することで発症する.プリオン病の初期過程ではPrPCの一部分が変性した過渡的中間体PrP*がPrPScへの構造変化を橋渡しする役割を担う.したがって,プリオン病の機序を解明するための手掛かりは,このプリオン形成中間体PrP*にある.本研究ではPrP*の構造的特徴を抽出する手段として,二次構造情報に基づく新しいカーネル主成分分析(SSPCA; Secondary Structure PCA)を開発した.SSPCAを適用することで,プリオン形成中間体PrP*の有力な候補として,PrPCの構造の一部がヘリックス→ストランド転位した特徴的な変性状態を明らかにした.
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