ケモインフォマティクス討論会予稿集
第42回ケモインフォマティクス討論会 東京
会議情報

一般公演(B公演)
フロンティア軌道論に基づく単分子並列回路の電気伝導の理論的研究
*岡澤 一樹辻 雄太吉澤 一成
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 2B05-

詳細
抄録

π共役単一分子は、バルクの金属にはない特異な電子輸送特性を持っている。近年、単一分子の伝導度の測定に関して様々な手法が開発された。理論面においてもLandauerの式によって伝導度と電子透過確率の関係が示され、非平衡Green関数法により電子透過確率と電子状態の関係が示されたことにより、定性的な議論が可能となり、傾向の予測に用いることが可能なレベルに到達した。単一分子スケールの電子部品を開発するには、回路の法則が必要である。実際、ナノスケールの並列回路の法則はすでに提案されている。しかし、最近の報告で、同じ分子骨格でも、芳香族性の違いによって伝導性が大きく変化することが明らかになったが、未だに原因の解明には至っていない。そこで本研究では、非平衡Green関数 (NEGF) と量子化学計算(Hückel分子軌道法、及び密度汎関数理論)を組み合わせた手法、及びフロンティア軌道論を用いて、並列回路の伝導度と芳香族性の関係を解明した。

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top