中部日本整形外科災害外科学会学術集会 抄録集
第105回中部日本整形外科災害外科学会
セッションID: 1-F-P-15
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P-03 P 末梢神経
多発性骨髄腫に合併したamyloidomaによる後骨間神経麻痺の一例
北野 岳史谷口 泰徳峠 康吉田 宗人武用 泰輔
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抄録

【はじめに】今回我々は非常に稀な、多発性骨髄腫に合併したamyloidomaによる後骨間神経麻痺を経験したので報告する。【症例】76歳女性。主訴は右手指伸展障害と右肘前面部腫瘤。平成15年2月頃より特に誘因なく右手指の伸展制限が出現。翌年2月より右肘前面に腫瘤が出現し、その後増大傾向をみせた。近医にて腫瘤の針生検を施行され、amyloidomaの診断を受け、当科紹介受診となった。身体所見として左肘前面部に径約3cm大の腫瘤を触れた。右手下垂指がみられEPL、EIP、EDC、EDMの伸展は不可であった。橈骨神経領域の知覚障害はみられなかった。単純レントゲン所見では右肘関節の関節症変化と打ち抜き像が見られた。後骨間神経麻痺と診断し平成16年6月、手術的加療を行った。術中所見としてまず、後骨間神経を展開。そしてFrohse’s arcadeを展開すると、橈骨頭周囲に腫瘍が後骨間神経を圧迫する形で発生していた。腫瘍を切除し、周辺の神経剥離を行った。病理組織にてCongo red染色にて着色を認め、一部の着色部は偏光陽性であり、アミロイド沈着が証明された。術後5ヶ月の調査時、手指の伸展は改善している。【考察】下垂指の原因が多発性骨髄腫に合併したamyloidomaによる後骨間神経の圧迫であった。後骨間神経麻痺の原因として、amyloidomaによる圧迫はまだ報告はみられていない。

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© 2005 中部日本整形外科災害外科学会
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