Rinsho Shinkeigaku
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Case Reports
Anti-nuclear matrix protein 2 antibody-positive dermatomyositis with the preferential involvement of neck extensors: a case report
Hiroki FujiiTakashi KurashigeSatoshi KuboRan NakashimaYasuhito HamaguchiTakeshi Kitamura
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2021 Volume 61 Issue 11 Pages 743-749

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要旨

68歳男性.2ヶ月前から四肢近位の筋力低下,2週間前から首下がり,1週間前から嚥下障害が出現した.四肢に浮腫・硬結を認めるが,定型的皮膚症状はなかった.抗nuclear matrix protein 2(NXP-2)抗体が陽性で,筋生検ではperifascicular atrophyを認め,myxovirus resistance protein Aの発現がみられた.FDG-PET/CT(PET)で多数のリンパ節に集積を認めたが原発不明癌であった.ステロイド治療と免疫グロブリン大量療法にて症状は改善傾向となった.PETで頸部伸筋群に集積あり頸部伸筋優位の障害により首下がりを呈したと考えた.

Abstract

A 68-year-old man with a 2-month history of progressive weakness and spontaneous pain in proximal limb muscles presented to our hospital with a dropped head. He started experiencing progressive dysphagia several days before admission. On admission, he had muscle weakness of the limbs and neck extensors with edema and induration in distal extremities. Laboratory tests showed elevation of muscle enzymes. FDG-PET/CT demonstrated multiple hypermetabolic lymph nodes, but the primary site was not identified; thus, metastatic carcinoma of unknown primary origin was considered. The patient was diagnosed with anti-nuclear matrix protein 2 antibody-positive paraneoplastic myopathy based on serum tests. Histological findings of the left biceps brachii muscle biopsy revealed severe variation in fiber size and perifascicular myofiber atrophy. Myofibers exhibited myxovirus resistance protein A expression predominantly in the perifascicular region. Following intravenous methylprednisolone pulse therapy and intravenous immunoglobulin, the patient’s muscle strength improved with normalization of muscle enzyme levels. The dropped head was considered to have resulted from the preferential involvement of neck extensors based on the observed FDG-PET/CT uptake in neck extensors.

はじめに

亜急性に経過した抗nuclear matrix protein 2(NXP-2)抗体陽性の皮膚筋炎(dermatomyositis,以下DMと略記)の1例を報告する.抗NXP-2抗体は小児のDMに関連する抗体として報告され1,悪性腫瘍合併との関連が示唆されている.近年,抗NXP-2抗体は皮疹を認めないDM sine dermatitis(DMSD)との関連も注目されている2.本例は,ヘリオトロープ疹,Gottron徴候,Gottron丘疹といった定型的皮膚症状はみられなかったが,病理学的にperifascicular atrophyを認め,myxovirus resistance protein A(MxA)による免疫染色で筋線維束周辺部を中心に染色性の亢進を認め,DMと診断した.原発不明癌に対する治療は施行しなかったが,ステロイド治療および免疫グロブリン大量療法により,四肢筋力や四肢の浮腫・硬結の改善や血清CK値の正常化が得られ,治療選択肢となり得ることが示唆される経過であった.抗NXP-2抗体陽性の筋炎や筋障害の報告例は少なく,経過や臨床所見について不明点が多い.本例は,首下がりを呈し,四肢遠位にめだつ浮腫・硬結を認め,嚥下障害が急速に進行するなど特徴的な臨床所見,経過を示し,文献的な考察を加え報告する.

症例

症例:68歳,男性

主訴:手足に力が入らない

既往歴:左水晶体脱臼.

内服薬:定期内服薬なし.

家族歴:類症なし.

現病歴:X年5月初旬から,両大腿や両上腕の自発痛が出現,同時期から両下肢脱力を自覚し,農作業で畑の中を歩くのが難しくなった.また両上肢の脱力により苗床の箱を持つのが重くなった.5月中旬から,椅子からの立ち上がりや段差をまたぐことが難しくなった.両上腕の挙上が難しくなり,着衣の際に袖に手を通すのが難しくなった.6月初旬から,坐位や立位で首下がりが出現した.6月中旬に当院内科を受診し,単純CTで肺に結節影,多発リンパ節腫大を指摘された.6月下旬から嚥下障害が出現し全粥食を摂取するようになった.7月初旬に当科に精査入院した.

一般身体所見:身長165 cm,体重58 kg.右上眼瞼がやや紫色であるが,浮腫はなく,ヘリオトロープ疹は認めなかった.手指のPIP関節に過角化あるが紅斑はなく,Gottron徴候やGottron丘疹は認めなかった.四肢に紫色の網状皮斑を認め,四肢遠位にめだつ浮腫・硬結を認めた(Fig. 1).両鎖骨上窩・左腋窩リンパ節を触知した.呼吸音・心音に異常はなかった.関節痛やRaynaud現象は認めなかった.

Fig. 1 Cutaneous findings in extremities.

(A) Hyperkeratosis without erythema in the proximal interphalangeal joint. (B) Livedo reticularis in bilateral upper arms. (C) Edema and induration in distal extremities.

神経学的所見:意識清明.顔面麻痺や構音障害はなく,軽度の嚥下障害を認めた.その他脳神経に特記すべき所見はなかった.運動系では,上肢は肩甲帯・上腕など近位筋優位の筋萎縮を認めた.四肢近位筋の自発痛を認めたが,筋把握痛はなかった.徒手筋力テスト(MMT)は,頸部屈筋4+,頸部伸筋3−と頸部伸筋優位の筋力低下を認め,上肢筋力は三角筋2+/2+と低下していたが,上腕二頭筋,上腕三頭筋,手根伸筋,手根屈筋,手内筋は5レベルであった.下肢筋力は腸腰筋2+/2+と低下していたが,大腿四頭筋,大腿屈筋,前脛骨筋,下腿三頭筋は5レベルであった.坐位や立位保持で首下がりがみられた.椅子からの立ち上がりはつかまり立ちを要した.腱反射は正常であり,感覚系,協調運動系,自律神経系に異常はなかった.

検査所見:血算は異常なく,生化学検査では,AST 193 U/ml,ALT 85 U/ml,LDH 809 U/ml,CK 2,037 U/ml,CK-MB 43 U/ml,ミオグロビン570 ng/ml,aldolase 17.8 U/lと筋逸脱酵素の上昇を認めた.血沈1時間値44 mm,CRP 1.71 mg/dlと炎症反応上昇を認めた.ACE 18.4 IU/lと正常範囲,sIL-2R 1,713 U/mlと軽度高値であった.腫瘍マーカーは,CEA 2.9 mg/ml,CA19-9 <2.0 U/ml,SCC 1.7 ng/ml,シフラ54.0 ng/mlであり,SCCとシフラが高値であった.筋炎関連抗体では,抗核抗体,抗Jo-1抗体,抗RNP抗体,抗Mi2抗体,抗ARS抗体,抗TIF1γ抗体,抗MDA5抗体はすべて陰性であった.ELISAで測定した抗SRP抗体,抗HMGCR抗体も陰性であった(コスミックコーポレーション).Line blot assay法による抗体検索(EUROLINE myositis profile)で,抗OJ抗体,抗EJ抗体,抗PL-7抗体,抗PL-12抗体,抗SRP抗体,抗Jo-1抗体,抗PM-scl 75抗体,抗PL-scl 100抗体,抗Ku抗体および抗Mi-2抗体は陰性であったが,抗Ro-52抗体は1+で弱陽性であった.

針筋電図では,右上腕二頭筋,三角筋,大腿四頭筋,腸腰筋のいずれも,安静時の線維自発放電や陽性鋭波を認めた.上腕二頭筋では早期動員を認め,三角筋,上腕二頭筋および大腿四頭筋では低振幅・低持続時間の運動単位電位を認め,活動性のミオパチーとして矛盾しない所見であった.大腿部MRIでは大臀筋・大腿四頭筋・縫工筋・大腿筋膜張筋,上腕部MRIでは上腕二頭筋・三角筋・棘下筋・肩甲下筋に脂肪抑制T2強調画像で高信号を認め,同部に造影効果を認めた.皮下に浮腫性変化を認め,特に筋膜に強い浮腫性変化がみられた(Fig. 2).体幹部CTでは,両側鎖骨上窩,左腋窩,両側肺門に内部に壊死像を伴う腫大リンパ節を認めた.間質性肺炎像は認めなかった.下部消化管内視鏡検査では,進行大腸癌(T3N0M0, Stage IIa)を指摘されたが,腺癌であり原発巣としては否定的であった.超音波内視鏡下穿刺吸引法で,気管分岐部のリンパ節を穿刺吸引し,扁平上皮癌の転移と診断した.原発巣の検索目的に全身18F-FDG-PET/CT(FDG-PET)を施行し,多数のリンパ節にSUV max 6.2の集積を認めたが,原発巣は特定できず,原発不明の扁平上皮癌の多発リンパ節転移と診断した.また,FDG-PETでは,両下肢近位筋に加えて,頭半棘筋,頸半棘筋など後頸部筋群にも集積を認めた(Fig. 2).経胸壁心エコーでは異常所見は認めなかった.

Fig. 2 Muscle MRI and 18F-FDG-PET/CT on admission.

(A, B) Axial T2-weighted images with fat suppression (3 T, TR 5,850 ms, TE 86.0 ms) show high intensity and subcutaneous edema in the deltoid, infraspinatus, and subscapularis muscles in right shoulder (A) and biceps brachii and triceps brachii muscles (B, right upper arm). (C, D) Axial T2-weighted images with fat suppression (1.5 T, TR 5,323 ms, TE 76.5 ms) show high intensity and subcutaneous edema in the gluteus maximus, gluteus medius, and sartorius muscles in buttock (C) and quadriceps femoris muscle in bilateral thighs (D). (E, F) 18F-FDG-PET/CT demonstrates intense FDG uptake in neck extensors (arrows).

臨床経過(Fig. 3):入院第2病日,左上腕二頭筋から筋生検を施行した.筋病理では,筋線維の著明な大小不同と筋線維束周辺部優位の小径化を認め,perifascicular atrophyがみられた.筋線維束周辺部にはbcl-2陽性壊死筋線維を多数認めた.Alkaline phosphatase染色では高活性筋線維を散見したが,筋線維束周辺部にはみられなかった.筋内鞘への炎症細胞浸潤を認め,CD4,CD8,CD45,CD79a,bcl-2陽性であった.一部はCD8陽性細胞の非壊死筋線維への浸潤像や,血管周囲細胞浸潤がみられた.HLA-abc染色では,筋細胞膜への発現がみられた.NADH-TR染色ではperifascicular atrophyを認め,貪食反応に乏しい壊死筋線維が一部まとまって存在しており,微小梗塞を反映した所見と思われた.MxAによる免疫染色では筋線維束周辺部を中心に染色性の亢進を認めた(Fig. 4).

Fig. 3 Clinical course of the patient.

Following intravenous methylprednisolone (mPSL) pulse therapy and intravenous immunoglobulin (IVIg), muscle strength and muscle pain improved, with normalization of muscle enzymes (creatine kinase [CK]).

Fig. 4 Pathological findings of the left biceps brachii muscle biopsy.

(A–C) By hematoxylin/eosin staining, muscle fibers range from 10 to 80 microns in diameter, with severe variation in muscle fiber size (A, B) and myofiber atrophy in the perifascicular region (C). (D) Expression of sarcolemmal HLA-ABC is apparent on the surface of non-necrotic muscle fibers, reflecting inflammation. (E) Positive control. (F, G) Immunohistochemistry reveals the presence of CD4+ (F) and CD8+ (G) cells in perifascicular endomysium. (H) NADH-TR staining revealed perifascicular atrophy and assembly of necrotic muscle fibers without phagocytosis. (I) Myofibers exhibited myxovirus resistance protein A (MxA) expression predominantly in the perifascicular region. Bar = 100 μm.

第3病日に嚥下障害が急激に悪化し,嚥下内視鏡検査および嚥下造影検査では,喉頭の挙上・咽頭収縮が極めて不良であり,経口摂取不能となった.悪性腫瘍関連筋炎に対して,第4病日からステロイドパルス療法1クール目(1,000 mg/日,3日間)を開始,その後,PSL 40 mg/日の内服を開始した.第12病日からステロイドパルス療法2クール目を行った.第19病日にはCK 220 U/mlまで低下し,四肢筋力はやや改善傾向となったが,嚥下障害の改善はみられなかった.原発不明癌に対する治療は,当院内科で検討しperformance statusを考慮して適応にならないとのことであった.第19病日より,免疫グロブリン大量療法を行った.第30病日には,CK 104 U/ml,三角筋4+/4+,腸腰筋3−/3−など四肢筋力はさらに改善し,四肢遠位の浮腫や硬結は消失した.頸部伸筋の筋力も改善し,首下がりもめだたなくなったが,嚥下障害は改善がみられなかった.京都大学に自己抗体スクリーニングを依頼し患者血清は35S標識Hela細胞抽出物を抗原として用いた免疫沈降法3で140 kDaタンパクを沈降した.金沢大学にてIP-Western法4でさらに検討し抗NXP-2抗体と同定した(Fig. 5).第32病日に原発不明癌に対する治療適応に関して呉医療センターに転院した.免疫グロブリン大量療法を1クール施行後に,縦隔鏡下リンパ節生検を施行された.中分化扁平上皮癌と診断されたが,performance statusも改善しないこともあり,best supportive careの方針となった.

Fig. 5 Analysis of the patient serum sample for the presence of anti-nuclear matrix protein 2 (NXP-2) antibodies.

Immunoblotting shows that the immunoprecipitated 140-kDa antigen is positive for anti-NXP-2 antibodies.

考察

本例では首下がりを呈したが,首下がりを生じる筋疾患として,封入体筋炎,ネマリンミオパチー,頸部伸筋に限局したミオパチー,抗SRP抗体陽性ミオパチーなどで報告されている5)~8.その一方で,炎症性筋疾患のENMC診断基準では「頸部屈筋が頸部伸筋よりも強く障害される」とされている9.本例では,頸部筋のMRIは撮像していないが,FDG-PETで,胸鎖乳突筋などの頸部屈筋よりも,頭半棘筋・頸半棘筋など頸部伸筋群により強い集積を認め,頸部伸筋群優位の障害による筋力低下に伴い首下がりを呈したと考えた.本例ではステロイドパルス療法および免疫グロブリン大量療法により頸部伸筋の筋力が改善し,首下がりもみられなくなった.連続症例の報告では頸部筋に関する記述は乏しく,首下がりを呈した抗NXP-2抗体陽性筋炎はわれわれの検索した範囲では報告がない.症例を蓄積する必要があるが,抗NXP-2抗体陽性筋炎の中に,頸部伸筋優位に障害される症例があり,この場合に首下がりを呈する可能性があることを本例は示唆していると考える.

抗NXP-2抗体は小児DMに関連する抗MJ抗体として報告された1.抗MJ抗体の認識する抗原は癌抑制遺伝子p53で誘導され細胞の老化やアポトーシスに関与する140 kDaのnuclear matric protin NXP-2(MORC3)と判明した10.成人における抗NXP-2抗体の陽性率に関しては,成人の筋炎58例のうち10例(17%)が陽性で,このうち8例(13%)がDM,2例(3.4%)が多発筋炎(polymyositis,以下PMと略記)であったとの報告11や,成人の筋炎120例のうち10例(8.3%)が陽性で,このうち7例(5.8%)がDM,3例(2.5%)がPMであったとの報告がある12.本邦では,成人DM 445例のうち7例(1.6%),成人PM 62例のうち1例(1.6%)が抗NXP-2抗体陽性であったとの報告がある13

抗NXP-2抗体陽性筋炎は皮膚症状としてヘリオトロープ疹の頻度が高く,抗NXP-2抗体陽性DMとして報告されることが多いが,非特異的皮膚症状を有する例や皮膚所見のない例が少なくない可能性が指摘されている14.本例ではヘリオトロープ疹やGottron徴候は認めなかったが,四肢に紫色の網状皮斑を認め,四肢遠位にめだつ浮腫・硬結を認めた.DMを抗NXP-2抗体陽性例56例と陰性例179例で比較した報告では,四肢の浮腫が陽性例36%,陰性例19%,嚥下障害が陽性例62%,陰性例35%であり,抗NXP-2抗体陽性DMでは四肢の浮腫や嚥下障害を合併する頻度が高いと報告している15.太田らは,原発性肺癌に合併した抗NXP-2抗体陽性筋症の1例を報告し,上肢は全体に腫脹していたと記載している16.本例のように非特異的皮膚症状を有する例や皮膚所見のない筋炎でも,四肢浮腫や硬結の存在は抗NXP-2抗体陽性筋炎において留意すべき点ではないかと考えた.

これまで抗NXP-2抗体陽性の筋炎や筋障害の報告例が少なく病理学的所見の特徴や病態について不明点が多い.病理学的にDMと診断した182例中14例(8%)に皮疹を認めずDMSDと診断し,このうち12例が抗NXP-2抗体陽性,1例が抗TIF-1γ抗体陽性,1例がMi-2抗体陽性であったとの報告し,DMSDと抗NXP-2抗体との関連が注目されている2.抗NXP-2抗体陽性のDMSDの病理所見としては,10例(71%)にperifascicular atrophy,9例(64%)にperifascicular MHC class Iの発現上昇,13例(93%)にMAC deposition on capillariesを認めたと報告している12.本例は非特異的皮膚症状のみを呈しており,定型的皮膚症状をDMの診断に必須とするBohanとPeterの診断基準17からはDM診断は困難であった.しかし,perifascicular atrophyと筋線維束周辺部を中心としたMxA発現,抗NXP-2抗体陽性から,DMと確定診断した.

傍腫瘍性症候群としての筋炎は悪性腫瘍関連筋炎と呼ばれ,筋症状発現の前後3年以内に悪性腫瘍が認められた症例と定義することが多い18.肺癌に対する治療のみで筋障害が寛解した抗NXP-2抗体陽性筋症の報告はあるが16,本例は悪性腫瘍に対する治療を行わず改善がみられたことから,傍腫瘍性症候群としての病態機序が関与しているかは不明である.成人の抗NXP-2抗体陽性DMでは,37.5%13あるいは17%19に肺,膵臓,胆囊,卵巣などの進行癌の合併が報告されている.また,213例のDM患者のうち,抗NXP-2抗体が陽性であった37例中9例(24%)が悪性腫瘍を合併しており,さらに悪性腫瘍合併リスクについて多変量解析を行うと,中高年成人男性で抗NXP-2抗体陽性が関連していたと報告している20.中嶋らも指摘しているが,本抗体が陽性の場合悪性腫瘍の検索が必要と考える21

本例は抗Ro-52抗体が弱陽性であったが,同抗体は筋炎特異的抗体ではない.しかし,10例の抗NXP-2抗体陽性DM/PMのうち抗Ro-52抗体を測定した7例中4例が陽性であったとの報告12や,抗Ro-52抗体と抗NXP-2抗体の両者が陽性であった筋炎の報告がある22.両抗体の関連に関してはさらなる検討が必要と考える.

Acknowledgments

謝辞:京都大学の免疫沈降法による自己抗体測定は,京都大学医学部附属病院 医の倫理委員会 承認番号R1540の承認を受けたものである.金沢大学の免疫沈降法による自己抗体の測定は,金沢大学医学倫理審査委員会 承認番号1209の承認を受けたものである.

Notes

※著者全員に本論文に関連し,開示すべきCOI状態にある企業,組織,団体はいずれも有りません.

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