2025 Volume 65 Issue 9 Pages 637-646
神経難病患者のオンライン診療は,保険診療料が認められているが充分普及していない.普及が進まない患者側の要因を明らかにするため,地方都市にある鳥取大学医学部附属病院,竹田綜合病院,福岡大学病院通院中の神経難病患者にアンケート調査を行った.“オンライン診療を使用したくない” と回答した割合は,順に65%,66%,43%であった.オンライン診療を使用したくないと答える予測因子は,“インターネットを自宅で使用していない”,“オンライン診療時に介助が必要” が全病院に共通してオッズ比が高く,オンライン診療普及にはインターネット環境整備とそれを介助する体制が重要と判明した.
Telemedicine is not widely used in patients with intractable neurological disorders including neurodegenerative diseases even though its application was covered by national insurance in Japan. To clarify what patient factors should be overcome for telemedicine application, we surveyed outpatients with intractable neurological disorders using questionnaires in Tottori University Hospital, Tekeda General Hospital and Fukuoka University Hospitals. The survey showed that more than half of the telemedicine-beginners did not want to use telemedicine in the former two hospitals located in provincial cities (0.2 to 0.3 million population), but more than half would like to use it in the large hospital sited at one of the regional core cites (1.5 million population). Binomial logistic analysis of the beginners revealed that predictors for patients to choose “I do not want to use telemedicine” were “no experience using internet at home” and “need of a helper to use internet equipment for telemedicine at home”. The odds ratios of the other factors such as the concerns about the cost or quality of outpatient medical practices were low. On the other hand, most of already telemedicine users wanted to continue telemedicine. The present study revealed that the quality of internet connection environment is the most critical factor for patients to use telemedicine. It must be requisite for wide use of telemedicine to establish a good internet connection environment at areas/home and to supply good equipment to the patients for the connection.
神経難病では専門医の診療が必要となるが,疾患によっては生じた運動障害により病院通院が困難であることも多い.特に人口が少ない地方では,神経難病の専門診療を行う病院が限られて遠方の病院への通院を要することが多いが,公共交通機関によるアクセスが悪いという状況があり,オンライン診療の有効性が期待されている.本邦では2018年に神経難病患者に対するオンライン診療の保険診療料が認められ,COVID-19感染拡大をきっかけに関心が高まった.
オンライン診療は,遠隔診療の一つでありパーソナルコンピュータ,タブレット,スマートフォンなどの電子情報通信機器を使用し,オンライン診療用システムを利用したビデオ診察を基本とするものである.日本では,一定の施設基準満たす病院において,地方厚生局長等への許可を得た後,厚生労働省指定オンライン診療研修を修了した医師が受診条件を守り,疾患・重症度などの条件を満たす難病患者に対してオンライン診療を行うことが,2018年から保険診療として認められた.適応については “オンライン診療の適切な実施に関する指針” 1)に従うことが求められている.処方箋については,病院がFAX,郵送,電子処方箋で薬局に送る連携体制を作るか,患者宅に郵送する必要がある.会計は,医療機関への事前登録による電子決済か,後日の対面診察受診時にまとめて支払うなど病院ごとに対応が異なる.患者側も利用通信端末に対応したアプリケーションを導入する必要があり,診療費用とは別に患者のアプリケーション利用料金が発生することが多い(Fig. 1).このように,種々の体制を整える必要がある.オンライン診療には,医師と患者間をオンラインで繋ぐD to P(Doctor to Patient)の他,医師と看護師や介護士が一緒にいる患者を繋ぐD to P with N(Doctor to Patient with Nurse),医師と医師一緒にいる患者を繋ぐD to P with D(Doctor to Patient with Doctor),医師間のコンサルテーションのD to D(doctor to Doctor)がある.
A Patient at home consults an attending doctor in the hospital using a video system on PC, tablet or smartphone. The doctor’s prescription is sent to the patient by mail. In some hospitals, prescription is sent to the family pharmacy directly online or by fax, and the drugs are delivered through a delivery system.
上記のような現状のもと,未だ臨床現場での普及は充分ではない.この理由として,オンライン診療の診療報酬や病院の診療体制整備が充分ではないなど制度・病院側の要因もあるが,その他に患者側の要因として,難病患者側の生活環境,心理的問題,身体的問題,経済的負担などの問題がオンライン診療に抵抗を感じる原因としてあげられる.これまで患者側のオンライン診療導入時の問題点が詳細には解析されておらず,対策点が明確ではなかった.この現状を踏まえて,本研究の目的は,オンライン診療で患者側の問題点をアンケート調査により明らかにすることである.
オンライン診療未導入の鳥取県米子市に位置する鳥取大学医学部附属病院,2019年4月からオンライン診療導入後の福島県会津市にある竹田綜合病院,2020年8月からオンライン診療導入後の福岡県福岡市の福岡大学病院の,各脳神経内科外来に通院中の神経難病患者を対象とした.国土交通省の都市累計対応表2)によると,米子市と会津市は地方中心都市圏(小さい地方都市)で,福岡市は地方中枢都市圏(大きな地方都市)に該当する.地域差およびオンライン診療導入の有無による差を比較した.
鳥取大学医学部附属病院では2021年2月~4月,竹田綜合病院では2021年10月,福岡大学病院では2023年7月~10月に,脳神経内科外来に通院していた神経難病患者全員にアンケート用紙を手渡して,患者本人もしくは介護者にオンライン診療について簡単に説明した後で,アンケートに回答いただいた.回答記入の後に回収した.アンケートの内容は,オンライン診療を使用したことのない患者にはアンケートA(Table 1)を用いて,オンライン診療に対する興味の有無を二択で質問し,オンライン診療の導入に際して不安・心配な事項(自宅のインターネット接続や通信環境・タブレットの操作・医師との意思疎通・医師が直接触る診察がない・費用・家族負担・薬の入手法)を5段階(大いに心配5点~まったく心配ではない1点)での選択回答とした.通院時間や診療時間(病院滞在時間),運動障害の有無,通院付き添い者の有無,その他の生活背景(歩行困難の有無・手指動作困難の有無・インターネットの自宅利用の有無・スマートフォンかタブレットの使用の有無・オンライン診療時の介助の有無)も尋ねた.また,歩行困難,手指動作困難の程度に関する質問も設けた.オンライン診療導入後の患者には,アンケートB(Table 2)を用いて,オンライン診療の継続の希望などを二択で聞き,継続希望者にはその理由や問題点と,現在のオンライン診療の満足度を,継続非希望者にはその理由を5段階で答えてもらった.また,アンケートAと同様に生活背景についても尋ねた.本人が筆記回答困難な場合は家族に介助して回答してもらい,回答が不可能な場合は家族に回答いただいた.これらすべてをまとめて解析した.
オンライン診療を使用したことのない神経難病患者のアンケート調査内容(A) | |
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I.オンライン診療に関して(2択 はい いいえ) | |
質問1 | オンライン診療についていままで聞いたことがありますか? |
質問2 | 外来受診の代わりに,オンライン診療を使用したいと思いますか? |
質問3 | オンライン診療の説明を受けてもいいと思われますか? |
質問2で「はい」(使用したい)を選んだ方は質問4~6 | |
質問4 | オンライン診療を使ってみたい理由(5択:1全く理由ではない,2あまり理由ではない, 3どちらともいえない,4弱い理由である,5強い理由である) 1)受診が簡単にできそうだから 2)時間の節約になりそうだから 3)家族の労力が減りそうだから 4)その他の理由を記載 |
質問5 | オンライン診療を始めるとしたら心配なこと(5択:1全く心配ではない,2あまり心配ではない, 3どちらともいえない,4少し心配である,5とても心配である) 1)自宅でのインターネットの接続や通信環境のこと 2)タブレットなどの操作 3)医師との意思疎通がうまくいくかどうか 4)医師が直接触って診察しないで大丈夫なのか 5)費用がどれぐらい増えるのか,減るのか 6)家族・介助の人の手間がかかるのか 7)薬が問題なく手に入るのか 8)上記以外記載 |
質問2で「いいえ」(使用したくない)を選んだかたは質問6 | |
質問6 | オンライン診療を使用したくない理由(5択:1全く理由ではない,2あまり理由ではない, 3どちらともいえない,4弱い理由である,5強い理由である) 1)自宅にインターネット通信の環境がない 2)タブレットなどの器具の操作ができそうにない 3)医師にうまく話ができなさそうである 4)医師が直接触って診察しないのがいやである 5)費用がかかりそうである 6)家族の負担がふえる 7)処方箋や薬のうけとり方がよくわからない 8)その他の理由を記載 |
II.生活背景 | |
1.病名 2.性別 3.年齢 4.通院にかかる時間(片道) 5.通院方法 6.通常診療での受診時間(病院滞在時間) 7.通常診療での全所要時間(自宅出発から帰宅まで) 8.通院付き添い有無 9.歩行困難の有無と補助具 10.手先動作困難の有無 11.自宅でのインターネット使用の有無 12.スマートフォンもしくはタブレット使用の有無 13.オンライン診療を使用する場合の介助必要の有無 14.アンケート記入者 |
これまでオンライン診療を使用している神経難病患者のアンケート調査内容(B) | |
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I.オンライン診療に関して | |
質問1 | オンライン診療を誰の勧めで始めたか(1 自分から申し出た 2 担当医) |
質問2 | オンライン診療をこれからも継続したいか(2択 はい いいえ) |
質問3 | オンライン診療を中止したことがあるか(2択 はい いいえ) |
質問2で「はい」(継続したい)を選んだ方は質問4,5 | |
質問4 | オンライン診療をしたい理由(5択:1全く理由ではない,2あまり理由ではない, 3どちらともいえない,4弱い理由である,5強い理由である) 1)受診が簡単にできそうだから 2)時間の節約になりそうだから 3)家族の労力が減りそうだから 4)その他の理由を記載 |
質問5 | オンライン診療していて以下は問題点か(5択:1全く問題ではない,2あまり問題ではない, 3どちらともいえない,4少し問題である,5とても問題である) 1)自宅でのインターネットの接続 2)タブレットなどの操作 3)医師との意思疎通 4)医師が直接触って診察しない点 6)費用の増加 7)家族・介助の人の手間 |
質問2で「いいえ」(継続したくない)もしくは質問3で「はい」(中止したことがある)を選んだ方は質問6 | |
質問6 | オンライン診療を継続したくない,もしくは中止した理由(5択:1全く理由ではない, 2あまり理由ではない,3どちらともいえない,4弱い理由である,5強い理由である) 1)普通の外来受診よりも受診方法が難しい 2)オンライン診療にしても3か月に一回来院するなど余り楽にならない 3)自宅でのインターネットの接続がうまくいかない 4)タブレットなどの操作が難しい 5)医師との意思疎通がうまくいかない 6)医師が直接触って診察しないのがいや 7)費用が増えた 8)家族・介助の人の手間がかかる 9)家で手伝ってくれる人がいない 10)処方箋や薬の受け取りが難しい 11)その他の理由があれば記載してください |
質問7 | オンライン診療の通常診療と比較して満足度(5択:1かなり不満足である,2少し不満足である, 3通常診療と変わらない,4まあ満足している,5とても満足している) |
質問8 | オンライン診療で改善してもらいたい点(5択:1全く思わない,2あまり思わない, 3どちらともいえない,4.少しそう思う,5かなりそう思う) 1)受診までの手続き 2)インターネット接続の準備の手順 3)タブレットなどの操作 4)受診中の医師との対話,診察 5)費用 6)処方箋や薬の受け取りの手順 7)その他の改善点の記載 |
質問9 | オンライン診療について,具体的な希望 |
II.生活背景 | |
1.病名 2.性別 3.年齢 4.通院にかかる時間(片道) 5.通院方法 6.通常診療での受診時間(病院滞在時間) 7.通常診療での全所要時間(自宅出発から帰宅まで) 8.通院付き添い有無 9.歩行困難の有無と補助具 10.手先動作困難の有無 11.自宅でのインターネット使用の有無 12.スマートフォンもしくはタブレット使用の有無 13.オンライン診療を使用する場合の介助必要の有無 14.アンケート記入者 |
オンライン診療未導入患者は,施設ごとに今後のオンライン診療利用希望の有無で二群に分類し,統計解析を施行した.まず両群間での回答の比較を2変量解析で明らかに有意確率水準が離れた(P≧0.2)変数を外して絞り込みを行った.それらの変数により2項ロジスティック解析にて “オンライン診療を利用したくない” を選ぶ独立した因子を特定するため,尤度比変数増加法による項目選択を行って予測式を作成した.2変量解析は,オンライン診療導入への心配点など5段階で返答する項目はMan-Whitney U testを,生活背景の年齢・片道通院時間・受診時間は,対応のないt-testを,患者環境と性別はカイ二乗検定を使用した.3施設間の比較にはTurkey HSD検定を用いた.データの分析にはIBM社のSPSS version 27を用いた.オンライン診療導入患者の解析では継続したくないという回答が少なかったため(結果参照),統計解析は施行しなかった.また,当研究は鳥取大学倫理審査委員会の承認(倫理審査番号20A169)を得て行われた.
オンライン診療未導入であるためアンケートAのみ行った.315名に依頼し,241名から回答が得られた(回収率76.8%).回答者の疾患別内訳はパーキンソン病・パーキンソン症候群92人が一番多かった(Table 3).
A. List of patients by disease group respond to the questionnaire A in each hospital. | |||||||||||
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鳥取大学医学部附属病院 | 竹田綜合病院 | 福岡大学病院 | |||||||||
難病疾患群(病巣病態分類)別 (人) |
アンケートA 回答者総数 |
利用したい | したくない | アンケートA 回答者総数 |
利用したい | したくない | アンケートA 回答者総数 |
利用したい | したくない | ||
Parkinson病・Parkinson症候群 | 92 | 27 | 65 | 56※ | 24 | 31 | 124 | 69 | 55 | ||
重症筋無力症 | 44 | 16 | 28 | 5 | 1 | 4 | 8 | 4 | 4 | ||
多発性硬化症・視神経脊髄炎 | 26 | 15 | 11 | 8 | 3 | 5 | 11 | 7 | 4 | ||
脊髄小脳変性症・多系統萎縮症 | 25 | 4 | 21 | 8 | 1 | 7 | 9 | 5 | 4 | ||
運動ニューロン疾患 | 20 | 9 | 11 | 2 | 0 | 2 | 1 | 1 | 0 | ||
筋疾患 | 13 | 5 | 8 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | ||
末梢神経疾患 | 7 | 2 | 5 | 3 | 0 | 3 | 1 | 1 | 0 | ||
HTLV-1関連脊髄症など脊髄疾患 | 3 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 6 | 5 | 1 | ||
その他疾患 | 11 | 6 | 5 | 4 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | ||
病名無回答 | 0 | 0 | 0 | 8 | 1 | 7 | 2 | 1 | 1 | ||
合計 | 241 | 85 | 156 | 95※ | 32 | 62 | 162 | 93 | 69 | ||
※回答者で1人希望有無の未回答者あり |
B. List of total patients by disease group respond to the questionnaire A and B. | |||||||
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3施設 A回答(未導入)総合 | 2施設 B回答(導入後)総合 | ||||||
難病疾患群(病巣病態分類)別 (人) |
アンケートA 3施設総数 |
利用したい | したくない | アンケートB 2施設総数 |
利用したい | したくない | |
Parkinson病・Parkinson症候群 | 272※ | 120 | 151 | 34 | 33 | 1 | |
重症筋無力症 | 57 | 21 | 36 | 4 | 3 | 1 | |
多発性硬化症・視神経脊髄炎 | 45 | 25 | 20 | 5 | 5 | 0 | |
脊髄小脳変性症・多系統萎縮症 | 42 | 10 | 32 | 5 | 5 | 0 | |
運動ニューロン疾患 | 23 | 10 | 13 | 1 | 1 | 0 | |
筋疾患 | 14 | 5 | 9 | 0 | 0 | 0 | |
末梢神経疾患 | 11 | 3 | 8 | 0 | 0 | 0 | |
HTLV-1関連脊髄症など脊髄疾患 | 9 | 6 | 3 | 1 | 1 | 0 | |
その他疾患 | 15 | 8 | 7 | 3 | 3 | 0 | |
病名無回答 | 10 | 2 | 8 | 4 | 4 | 0 | |
合計 | 498※ | 210 | 287 | 57 | 55 | 2 | |
※回答者で1人希望有無の未回答者あり |
オンライン診療を利用したいと回答したものが85名(35%),利用したくないと回答したものが156名(65%)であり,利用したくないほうが多かった.2変量解析では “オンライン診療を利用したくない群” は “オンライン診療を利用したい群” と比較して,年齢,“手先動作困難有り”,“自宅でのインターネット使用無し”,“スマートフォン・タブレット使用無し”,“オンライン診療使用する場合に介助が必要” が多く,心配点としては “医師との意思疎通”,“医師が直接触って診察しない”,“薬の入手方法の心配” が強かった,逆に “費用の心配” は少なかった(Table 4).2項ロジスティック回帰分析での尤度比変数増加法によるモデル式作成では “オンライン診療を利用したくない” を選択する独立した予測因子は,環境面では “自宅でのインターネット使用無し”,“スマートフォンやタブレット使用無し” が挙げられ,心理面では心配が強い項目には “医師が直接触って診察しない” “薬の入手方法の心配” の2項目があげられた.一方,心配が少ない項目は “費用の心配” であった.モデル式のカイ二乗検定の結果はP < 0.01で有意であり,判別的中率は74.0%となった(Table 5A).
オンライン診療未導入群でのオンライン診療を利用したい・したくない群別背景(アンケートA回答)
オンライン診療未導入群でのオンライン診療を利用したい・したくない群別背景(アンケートA回答) | ||||||||||||||
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鳥取大学医学部附属病院 | 竹田綜合病院 | 福岡大学病院 | ||||||||||||
総数 | 利用したい | したくない | 有意確率 | 総数 | 利用したい | したくない | 有意確率 | 総数 | 利用したい | したくない | 有意確率 | |||
人数(施設総数に占める割合 %) | 241 | 85(35%) | 156(65%) | p | 95 | 32(34%) | 62(66%) | p | 162 | 93(57%) | 69(43%) | p | ||
性別 男性割合(%) | 43.5% | 40.0% | 45.5% | 0.411 | 50.0% | 50.0% | 48.4% | 0.938 | 32.0% | 32.0% | 32.0% | 0.961 | ||
年齢(歳)(SD) | 64.6(13.8) | 59.3(13.3) | 67.5(13.1) | <0.001 | 70.2(12.1) | 69.3(13.6) | 70.6(11.3) | 0.659 | 63.9(12.1) | 60.7(12.0) | 68.0(10.9) | <0.001 | ||
片道通院時間(分)(SD) | 37.0(37.2) | 35.9(30.4) | 37.7(40.7) | 0.720 | 32.8(22.1) | 35.5(16.4) | 31.6(24.8) | 0.432 | 46.8(33.4) | 48.9(32.8) | 44.6(34.4) | 0.422 | ||
病院滞在時間(分)(SD) | 90.0(57.3) | 95.6(66.4) | 86.0(45.5) | 0.505 | 113.6(47.4) | 97.3(40.8) | 120.8(46.5) | 0.020 | 95.8(58.8) | 101.2(57.0) | 88.2(61.7) | 0.167 | ||
患者環境・患者状況(「はい」回答者割合 %) | ||||||||||||||
通院に付き添いが必要 | 56% | 48% | 61% | 0.051 | 60% | 69% | 57% | 0.272 | 43% | 37% | 51% | 0.091 | ||
歩行困難がある | 63% | 60% | 65% | 0.374 | 60% | 65% | 59% | 0.633 | 49% | 51% | 46% | 0.554 | ||
手先の動きの困難がある | 47% | 38% | 53% | 0.021 | 36% | 38% | 36% | 0.857 | 44% | 45% | 41% | 0.847 | ||
インターネットを自宅で使用していない | 48% | 25% | 61% | <0.001 | 69% | 52% | 78% | 0.010 | 28% | 20% | 39% | 0.006 | ||
スマートフォン・タブレットを使用していない | 35% | 17% | 44% | <0.001 | 60% | 41% | 69% | 0.007 | 10% | 4% | 18% | 0.006 | ||
オンライン診療利用の場合に介助が必要 | 56% | 40% | 65% | <0.001 | 57% | 39% | 67% | 0.010 | 42% | 30% | 57% | 0.001 | ||
オンライン診療導入への心配点[1~5点の5段階評価 平均点(SD)] | ||||||||||||||
自宅のインターネット接続や環境 | 3.08(1.58) | 3.07(1.45) | 3.08(1.66) | 0.821 | 3.28(1.53) | 3.61(1.36) | 3.09(1.60) | 0.155 | 2.65(1.47) | 2.84(1.43) | 2.39(1.48) | 0.042 | ||
タブレットなどの操作への心配 | 3.23(1.53) | 3.06(1.41) | 3.33(1.60) | 0.138 | 3.58(1.40) | 3.71(1.32) | 3.52(1.45) | 0.651 | 3.02(1.44) | 2.85(1.39) | 3.26(1.47) | 0.066 | ||
医師との意思疎通への心配 | 3.29(1.34) | 2.96(1.17) | 3.49(1.41) | 0.002 | 3.24(1.22) | 2.45(1.15) | 3.13(1.27) | 0.192 | 2.99(1.30) | 2.81(1.22) | 3.23(1.38) | 0.038 | ||
医師が直接触って診察がない心配 | 3.32(1.33) | 3.11(1.19) | 3.46(1.40) | 0.030 | 3.46(1.22) | 3.45(1.09) | 3.47(1.30) | 0.904 | 3.32(1.19) | 3.31(1.04) | 3.33(1.37) | 0.732 | ||
費用への心配 | 2.80(1.21) | 3.05(1.12) | 2.65(1.24) | 0.027 | 3.09(1.27) | 3.42(1.17) | 2.91(1.30) | 0.070 | 2.79(1.13) | 3.01(1.02) | 2.49(1.21) | 0.004 | ||
家族・介助者負担が増える心配 | 2.61(1.30) | 2.40(1.22) | 2.74(1.34) | 0.082 | 3.04(1.20) | 3.29(1.10) | 2.91(1.26) | 0.189 | 2.61(1.29) | 2.57(1.29) | 2.67(1.30) | 0.641 | ||
薬の入手方法への心配 | 2.99(1.41) | 2.68(1.23) | 3.18(1.49) | 0.011 | 2.79(1.31) | 3.06(1.27) | 2.63(1.33) | 0.125 | 2.79(1.24) | 2.77(1.29) | 2.81(1.19) | 0.798 |
遠隔診療未導入神経難病患者が『利用したくない』を選択する独立した予測因子 | ||||
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A.鳥取大学医学部附属病院 | ||||
回帰係数 | 有意確率(p) | Odds Ratio | Odds Ratio 95%信頼区間 | |
性別(強制投入) | −0.151 | 0.665 | 0.860 | 0.435~1.700 |
年齢(強制投入) | 0.008 | 0.584 | 1.008 | 0.980~1.037 |
インターネットを自宅で使用していない | 1.310 | 0.003 | 3.706 | 1.578~8.701 |
スマートフォンやタブレットを使用していない | 0.925 | 0.047 | 2.521 | 1.013~6.272 |
医師が直接触って診察がない心配 | 0.363 | 0.014 | 1.438 | 1.076~1.922 |
費用への心配 | −0.865 | 0.001> | 0.421 | 0.287~0.617 |
薬の入手方法への心配 | 0.422 | 0.006 | 1.526 | 1.131~2.057 |
定数 | −0.745 | 0.421 | ||
モデルχ2検定 p < 0.01,判別的中率74.0% |
B.竹田綜合病院 | ||||
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回帰係数 | 有意確率(p) | Odds Ratio | Odds Ratio 95%信頼区間 | |
性別(強制投入) | −0.907 | 0.165 | 0.404 | 0.112~1.452 |
年齢(強制投入) | −0.053 | 0.101 | 0.948 | 0.890~1.010 |
インターネットを自宅で使用していない | 2.456 | 0.005 | 11.654 | 2.063~65.844 |
オンライン診療時に介助が必要 | 2.368 | 0.003 | 10.675 | 2.223~51.275 |
自宅でのインターネット接続や環境の心配 | −0.677 | 0.019 | 0.513 | 0.289~0.894 |
費用への心配 | −0.667 | 0.019 | 0.513 | 0.294~0.898 |
定数 | 6.157 | 0.013 | ||
モデルχ2検定 p < 0.01,判別的中率79.2% |
C.福岡大学病院 | ||||
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回帰係数 | 有意確率(p) | Odds Ratio | Odds Ratio 95%信頼区間 | |
性別(強制投入) | −0.21 | 0.61 | 1.234 | 0.550~2.770 |
年齢(強制投入) | 0.059 | 0.002 | 1.06 | 1.023~1.100 |
インターネットを自宅で使用していない | 2.175 | 0.001> | 8.798 | 2.994~25.858 |
自宅のインターネット接続や環境の心配 | −0.699 | 0.001> | 0.497 | 0.345~0.715 |
医師との意思疎通の心配 | 0.459 | 0.006 | 1.583 | 1.138~2.200 |
費用の心配 | −0.539 | 0.006 | 0.583 | 0.398~0.854 |
定数 | −2.899 | 0.022 | ||
モデルχ2検定 p < 0.01,判別的中率78.6% |
D.3病院統合 | ||||
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3施設統合 遠隔診療未導入神経難病患者が『遠隔診療を利用したくない』を選択する独立した予測因子 | ||||
回帰係数 | 有意確率(p) | Odds Ratio | Odds Ratio 95%信頼区間 | |
性別(強制投入) | −0.029 | 0.897 | 0.971 | 0.624~1.512 |
年齢(強制投入) | 0.012 | 0.195 | 1.012 | 0.994~1.031 |
インターネットを自宅で使用していない | 1.149 | 0.001> | 3.154 | 1.878~5.299 |
スマートフォンやタブレットを使用していない | 0.936 | 0.002 | 2.551 | 1.410~4.615 |
医師との意思疎通への心配 | 0.272 | 0.008 | 1.313 | 1.075~1.604 |
費用への心配 | −0.776 | 0.001> | 0.460 | 0.360~0.582 |
薬の入手方法への心配 | 0.212 | 0.035 | 1.236 | 1.015~1.506 |
定数 | −0.745 | 0.391 | ||
モデルχ2検定 p < 0.01,判別的中率70.6% |
オンライン診療未導入患者95人からアンケートA,オンライン診療導入患者43人からアンケートBの回答を得た(合計138人)鳥取大学医学部附属病院と同様にパーキンソン病・パーキンソン症候群の患者数が一番多かった(Table 3).
オンライン診療未導入患者のうち,“オンライン診療を利用したい” と回答したものが32人(34%),“利用したくない” と回答したものが62人(66%)であり,利用したくない患者が多かった(未回答1人).オンライン診療未導入患者での2変量解析では “オンライン診療を利用したくない群” では “利用したい群” と比較し,病院滞在時間が長く,“自宅でのインターネット使用無し”,“スマートフォンやタブレットを使用無し”,“オンライン診療使用する場合に介助が必要” の環境背景の患者の割合が高かった(Table 4).2項ロジスティック回帰分析での尤度比変数増加法によるモデル式作成では “オンライン診療を利用したくない” を選択する独立した予測因子は,“自宅でのインターネット使用無し”,“オンライン診療使用する場合に介助が必要” の環境に関する要因のオッズ比が高く,心理面で心配な項目としては “自宅でのインターネット接続や通信環境の心配” の項目が心配が強い項目として挙げられ,心配が少ない項目は “費用の心配” であった.モデル式のカイ二乗検定の結果はP < 0.01で有意であり,判別的中率は79.2%となった(Table 5B).
一方,すでに導入している患者では,“これからも利用したい” が42人(98%)で,“利用したくない” は1人(2%)のみであった.“利用したくない” を選択した人数が少ないため,2変量解析,2項目ロジスティック解析は妥当性への配慮から見合わせた.オンライン導入後の患者では “とても満足” もしくは “まあ満足” と答える患者が26人(60%)と多かった.一方で,“処方箋や薬の受け取りの手順” が問題点としてあげられ,“少しそう思う” もしくは “そう思う” と9人が回答した.
福岡大学病院での結果オンライン診療未導入患者162人からアンケートA,オンライン診療導入患者14人からアンケートBの回答を得た(合計176人).他の2病院と同様にパーキンソン病・パーキンソン症候群の患者数が最も多かった(Table 3).
オンライン診療未導入のうち,利用したくないと69人(43%)が回答し,利用したいと回答したのが93名(57%)であり,利用したい患者が半数を超えた.オンライン診療未導入患者で “オンライン診療を利用したくない群” は “利用したい群” に比較して,年齢が高く,“自宅でのインターネット使用無し”,“スマートフォン・タブレット使用無し”,“オンライン診療使用する場合に介助が必要” が多く,心理面では “医師との意思疎通” に関して心配の度合いが強かった.一方,“自宅でのインターネット接続や通信環境の心配” と “費用の心配” との関連は少なかった(Table 4).2項ロジスティック回帰分析での尤度比変数増加法によるモデル式作成では “オンライン診療を利用したくない” を選択する独立した予測因子は,環境面では “自宅でのインターネット使用無し” で,心理面では “医師との意思疎通の心配” が強く,“自宅のインターネット接続や通信環境の心配” と “費用への心配” は心配が少ない項目にあげられた.モデル式のカイ二乗検定の結果はP < 0.01で有意であり,判別的中率は78.6%となった(Table 5C).
オンライン診療導入後の患者では,“これからも利用したい” が13人(93%)で,“利用したくない” は1人(7%)であった.利用希望有無での利用したくない人数が少なかったため,統計解析比較はしなかった.オンライン導入後の患者の満足度回答では “とても満足” もしくは “まあ満足” と答える患者が9人(64%)と多く,問題点については “インターネット接続の準備の手順” に “少しそう思う” と4人が答えた.“処方箋や薬の受け取りの手順” に “少しそう思う” と答えたのは2人であった.
3病院の比較鳥取大学医学部附属病院,竹田綜合病院,福岡大学病院の3施設の患者背景(オンライン診療の未導入患者)を比較すると,地方中枢都市圏にある福岡大学病院の神経難病患者は,女性割合が有意に高く,歩行困難が少なく,公共交通機関での通勤が多く,通院時間が長かった.さらに,“自宅でのインターネットなし”,“スマホ・タブレット利用なし”,“遠隔診察時に介助が必要” の割合が,他の地方中心都市圏の2病院より低かった.
3病院全体のオンライン診療を使用したことのない患者を,9人以上の参加があった疾患別にみると,“オンライン診療を利用したい” が “オンライン診療を利用したくない” を上回ったのは,“多発性硬化症・視神経脊髄炎” と “HTLV-1関連脊髄症など脊髄疾患” で,その他は “オンライン診療を利用したくない” が多かった(Table 3).“オンライン診療を利用したくない” を選択する独立した予測因子は “自宅でのインターネット使用がない” 環境であることが強く関連し,“費用の心配” の関連が少ないという二つの結果は,3病院で共通であった.
オンライン診療は遠隔診療の一つであり,今回は外来診療をオンライン診療に置き換える,D to Pのオンライン診療について調査した.日本では2018年から一定の施設基準満たす病院において保険診療として認められたが「令和5年1月~3月の電話診療・オンライン診療の実績の検証の結果」3)では電話や情報通信機器を用いた診療を実施できるとして登録した医療機関数は16%程度と多いとはいえない.医師偏在のある現状で,専門医の少ない地域においても医療の質を落とさない一つの手段としてもオンライン診療が期待され,通院にかかる時間短縮になるメリットもあるが,現時点では充分普及しているとは言えない.今回は,神経難病患者がオンライン診療をどれぐらい利用したいと思っているのか,利用したくない場合にはその原因は,1.直接患者を診察しないという医療の質に対する不安,2.デバイスおよびインターネット接続環境に関する不安,3.処方箋の手配に手数がかかる,4.費用が掛かるなど,どの点が患者にとって一番大きな問題になるか注目した.
今回のアンケート調査は,地方中心都市圏2病院と地方中枢都市圏1病院のみで行い,大都市圏病院および地方中枢都市圏でオンライン診療未導入施設は含んでいない.オンライン診療導入施設の竹田綜合病院と福岡大学病院では,導入後の期間はそれぞれ約2.5年と3年で大きな差異はなかった.調査時期は,鳥取大学医学部附属病院と竹田綜合病院ではCOIVD-19感染拡大直後の2021年であり,福岡大学病院では2023年で2年遅く行っており,結果に影響している可能性は否定できない.これらの点から,本研究が日本全体のオンライン診療の問題点を指摘できるとは思わないが,一定程度の傾向を判定するには十分な情報が得られたと考えている.
今回の三つの病院のアンケート調査結果では,オンライン診療を利用したい神経難病患者は多くなく,特に地方中心都市圏の2病院ではオンライン診療を利用したくない患者が半数を上回っており,地方中枢都市圏の病院に比べて希望者が少なかった.
オンライン診療を利用したくない患者の独立した第一の予測因子は,三つの病院に共通して “自宅でのインターネット使用無し” であり,オンライン診療導入を妨げる患者側の一番大きな問題はインターネット環境への不安・接続における患者の手間に関するものであった.一方,医療の質や費用の心配は予測因子に関与しないことを示した.福岡大学病院で “オンライン診療を利用したい” が半数を上回ったのは,自宅でのインターネットが整っており,スマホやタブレット利用している患者が多かったことが関係していると考えられ,地域毎のインターネット普及率の違いが影響すると推察される.オンライン診療未導入の鳥取大学医学部附属病院と導入済の竹田綜合病院で大きな違いはなく,オンライン診療について病院で見聞きしたことがあるかどうかはあまり影響しないと考えられた.すでに介助通院を行っている患者では,通院時間や身体機能障害は,オンライン診療希望に影響を与えなかった.一方,オンライン診療を導入している患者においては,満足度は高く継続を希望しているものが90%以上であった.
神奈川県川崎地区と静岡県富士市の2病院通院中の種々の神経疾患患者215人にオンライン診療を利用したいか尋ねた2019年のアンケートでは,“絶対に活用したくない” と答えた患者は40%で,その理由は本研究と同様に “情報通信機器がない”,“機器の接続ができない” などインターネット接続と機器に関する問題が54%と最も多く,本研究と同様の結果であった4).
国際的にもパーキンソン病など慢性神経疾患の専門医は都市部に集中しており受診が容易ではない地域も多く5),診断の遅れや専門医診療が受けられないことが予後に影響するとされている6)7).この事実を踏まえ,オンライン診療の導入による専門医へのアクセス改善が期待されている8).オンライン診療の普及には,オンライン診療の有効性の研究を進める他に,国ごとの法的な問題や技術的問題,保険制度の問題などそれぞれの国の多くの障壁に対応する必要性が,2017年の段階で示唆されている8).シカゴのインターネットでのアンケート調査では,多くの患者(76.8%)が専門医に受診できるという理由でオンライン診療にとても興味があると答えている.これはインターネットでのアンケートに返答する患者群が対象であり,93%の患者がインターネット環境を持っているという条件ではあるが,興味を持つ患者が多いことが示唆されている9).トロントの調査10)では,オンライン診療使用者では通院費と通院時間が減少しており,大多数が継続を希望した.オンライン診療施行してない患者でも半数以上が興味あると答えていた.トロントでは自宅近くのテレヘルスセンターに行けばそこから専門病院とつながるような,オンライン診療のためのネットワークシステムが構築されているという環境があり,自宅のインターネット環境は問題にならないことが大きく影響していると考えられる.
今回のアンケート結果は通院患者に行ったため,現時点で通院が可能な患者が対象になっているというバイアスがある.遠距離のため神経専門医の受診を諦めている患者が調査対象になっていない可能性はあり,オンライン診療の希望の把握には,今後更なる調査も必要と思われる.また,本研究では,地方中枢都市圏でオンライン診療未導入の病院でのアンケートを行っておらず,今回調査をおこなった3病院も何らかの学問的選考条件があって選出したものではない.地域およびオンライン診療導入の有無の影響を結論付けるには更なる多くの施設での検討が必要である.
以上,地方中枢都市以外の都市では,自宅のインターネット環境が不十分・スマートフォンやデバイスを持っていないために,オンライン診療の導入に懸念をもつ患者の割合が多いことが明らかになった.今後,神経難病患者においてD to Pのオンライン診療を進めるには,自宅にインターネット環境がない患者には,通信機能付きのデバイスの貸し出しや,オンライン診療に使用するデバイスやソフトウェアについての丁寧な説明とサポート体制を整えることが必要であると考えられる.もしくはD to P with Dのオンライン診療体制の充実や,トロントで行われているような自宅近くのテレヘルスセンターを構築により,自宅のインターネット環境の問題を払拭することが,オンライン診療の普及には重要であろう.
本研究は,第29回(2020年)ファイザーヘルスリサーチ振興財団ヘルスリサーチ研究助成を受託して行った.その他,著者全員に本論文に関連し,開示すべきCOI状態にある企業,組織,団体はいずれも有りません.